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藤崎京之介怪異譚
case.1 「廃病院の陰影」
X 同日 pm7:38
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。げに恐ろしきは、やはり人間なのかも知れないな…。」
 田邊は、俺が何を想像していたのか分かったのか、静かに「えぇ、そうですね…。」と、呟くように言葉を返したのだった。
 本当は、想像なんてしたくはない。だが、考えてしまうんだ…。
 俺は窓辺に寄ってカーテンを開き、外の街並みを見つめた。
 田舎ではあるが、かなりの明かりが灯っている。
 人は光で闇を切り裂いてきたが、本来…闇とは安らぎを与えるものだった。
 それを恐れの対象にしたのは、やはり人の傲慢さなのだろう…。
 だがこの世に、勝手気儘に奪ってよい命など一つもないんだ。
「明日で…終わらせる…。」
 僕の呟きに田邊は答えなかったが、何となく、彼は応援してくれているように感じていた…。




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