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鬼の顔
1部分:第一章
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細めさせた。
「豆腐でおじゃるか」
「南禅寺に入れてあるあれです」
「用意しておきました」
「有り難いことでおじゃる。豆腐は大好きでおじゃる」
「左様ですか」
「できればでおじゃるが」
 ここで少し考えた顔になってまた述べた公望だった。
「もう少し欲しいものでおじゃるな」
「どうしてですか」
「何かありますか?」
「帝にも献上したいのでおじゃる」 
 これが彼の考えであった。公家ならばこれも当然のことだった。
「それはあるかのう」
「ええ、それでしたら」
「もう一樽ありますんで」
「ではそれをのう」
 これで酒の話は整った。そのうえで彼等は宴に入る。豆腐の他にも干した魚等も出され宴は楽しく行われた。そのうちやくざ者のうち一人が席を立った。

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