After18 異星へ
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
夜は明けた。
咲たちは迎えに来た貴虎と凰蓮の車に分乗して、鎮守の森跡地へ向かった。
車から降りるヘキサはすでに白い祭服姿で、表に出ているのは舞なのだろうと察しがついた。
その小さな舞は、まるで紳士にエスコートされる淑女ように、光実に手を取られて車を降りた。
舞が咲たちを案内したのは、跡地の中心にそびえ立つ大樹の前。
――去年の夏頃、突如として現れた大樹だが、なぜか近隣住民もマスコミも騒ぐことなく、まるで何十年も前からそこにあったかのように、大樹は現在の沢芽の人々に受け入れられた。
舞が大樹に手をかざすと、大きな縦のクラックが開いた。
クラックの向こうには宇宙が広がり、一つの惑星があった。
「蒼い星……地球みたい」
咲は思ったままを口にした。
舞がヘキサの顔で苦笑した。
「メインで暮らしてるのが人類じゃなくてインベスって点を除けば、紘汰とあたしの果実の力で、地球と環境は変わらないとこまで持って来られたわ。あまり身構えないで」
咲たちは肯き合い、見送りに来た貴虎、城乃内、凰蓮、ザック、ペコ、チャッキーをふり返った。
「城乃内。貴虎。俺たちがいない間のことは」
「大丈夫。任されたよ、リーダー。なるべく早く帰って来いよ」
「俺たちのことは気にせず、思うままにやって来い」
「ありがとう、兄さん」
これも昨夜の話し合いで決まった。アーマードライダー全員が地球を離れれば、ロード・デュークはここぞとばかりに地球にオーバーマインドを投入するかもしれない。その想定の下、城乃内と貴虎は地球防衛組として残ることになった。
おのおののドライバーを装着し、ロックシードを開錠した。
「「「変身!!」」」
《 ドラゴンフルーツアームズ Bomb Voyage 》
炎の形をした果実の鎧が咲を覆い、月花へと変える。
《 バナナアームズ Knight of Spear 》
赤いライドウェアの上からバナナの甲冑が戒斗を鎧い、戒斗はバロンとなる。
《 ブドウアームズ 龍・砲・ハッハッハッ 》
ブドウの鎧が展開し、手にブドウ龍砲が現れ、光実を龍玄へと変える。
あらかじめ舞から渡されたダンデライナーを、バロン、龍玄が投げて展開させた。
『咲、後ろに乗れ』
『うん』
「ナビは任せて。行きましょう」
一番に舞がふわりと浮いて、クラックを潜った。バロンと龍玄がダンデライナーを操縦し、浮き上がらせてクラックを超えた。
一人の少女と3人のライダーが、クラックの向こう――宇宙へと突入した。
明るい。
宇宙に出た月花の一番の感想である。
舞が輪郭をなぞるように蒼い惑星を示
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ