空白期 中学編 Final 「夢に向かって」
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の子として見てもらえることで広がってしまうんなら、わたしは嬉しいと思うし」
何て自分勝手というか人のことを振り回す奴なのだろうか。これまでに散々振り回されてきたが、今日ほどインパクトの大きく未来にまで響きそうなものは初めてだ。色んな感情が絡み合い過ぎて言葉にならない。
…………けれど、これだけははっきりしている。
今日という日を境に俺達の道は完全に分かれるのだ。それぞれの目標や夢を目指し、再度交わることになるのは、はやてが夢を実現させたとき。
その日が確実に来るとは誰も分からない。けれど、間違いなく俺達はそれぞれの道を歩み続ける。時間を決して無駄にすることはないだろう。
「……今日ほどお前に対して苛立ちを覚えたことはない」
「……ごめん」
「謝るくらいなら最初からやるな。……許してほしいのなら自分の部隊を作ってみせろ。その間、俺は俺で自分の道を進んでおくから」
俺は言い切るとはやての反応を待たずにこの場から去り始めた。これ以上居ると感情が複雑になり過ぎてオーバーヒートしそうだったからだ。
はやてが頭を下げているような気がしたが、俺は振り返らない。彼女は関係を壊すことも覚悟で部隊を作ることを選んだのだ。
ならば俺がすべきことは自分の道を進むこと。ここで振り返るような覚悟では、はやてが部隊を作ったときに俺は胸を張って入れるような人間にはなっていないだろう。
夕日に照らされる中、俺は静かに改めて決意する。
今後どうなるかなんて分からない。でも……俺は大切なものを守るために努力を惜しまないつもりだ。
技術者としての道を歩みながらも、魔導師としての訓練をやめなかったのは守りたい気持ちがあったからだ。天才ではない俺がどこまでやれるか分からないが……俺は俺なりに夢に向かって進んでいこう。
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