空白期 中学編 Final 「夢に向かって」
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える潤んだ瞳も、恥ずかしさを押さえ込むように絡められた指も演技には見えない。
最も付き合いのある俺にそう見えないということは、はやては嘘ではなく本心を語っていることになる。だがそれでも、簡単に気持ちの整理をすることはできない。
はやては俺にとって友人で……家族のような距離感にもある特別な奴で。姉のように振る舞うくせにふざけてばかりいる。でも肝心な時はいつも俺を支えてくれた。温かな笑みを向けてくれた。励ましてくれた。
距離感が近かったから異性として意識することは少なかったが、異性として見ていなかったわけではない。好きか嫌いかで言えば……もちろん好きだ。俺は……。
「その」
「あぁそれ以上は言わんといて! 返事はせんでええから!」
突然告白されたにも関わらず、返事をいらないという展開に俺の頭は停止しそうになってしまう。いったい目の前にいる少女は何を考えているのだろうか。
「あの、いきなり告白したんに返事はせんでとかおかしなこと言ってるんは分かってる。でも、その……今は部隊を作れるようになることに全力を注ぎ込みたいんよ」
部隊を作りたいというのが本気だということは分かる。が、ならどうして告白をしたのだろうか。そのことを尋ねると、はやてはモジモジしながらポツポツと話し始める。
「えっと、それはその……一度気持ちを言ったらすっきりしそうやったし。……仮にこの先ショウくんが誰かと付き合ったとしても心から祝福できるかなぁって。まあ……もしそうなったら1日くらいは大泣きしそうやけど」
泣くのかよ。いや、泣くのはまだいい。何でそれを俺に言った。それを聞かされると凄く考えさせられるんだが。
「お前な……俺はいったいどうしたらいいんだ?」
「それは…………もしわたしの夢が叶ってやることちゃんと終わらせたときに、わたしが今と変わらん気持ちを持っといたらもう一度告白する。だから……そんときに返事してもらえると」
それを聞いた俺は、思わず片手で頭を掻き毟り始めた。
将来的にもう一度告白するかもしれない。だからそのときに返事をしてくれって……下手したら告白はされないわけだろ。好きだって告白されて今まで通りに振る舞える自信はないぞ。
「あぁもう……俺はな、友人というか家族というかそれらひっくるめた意味でお前のことが好きなんだよ!」
「え、は、はい!」
「最低限ではあるけど異性としても意識してた。そこに突然告白されたらな、これまでどおりの距離感で居られる気がしない。なのにお前は確実じゃない2度目の告白を待てと言う……お前、俺から告白しないとでも思ってるのか?」
「え……そそそれは、その……してもらえるんは嬉しいけど、やっぱり部隊を作るのが1番であって。だから我慢してほしいと言いますか……距離感に関しても女
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