空白期 中学編 Final 「夢に向かって」
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を魔導師として必要としているのか、メカニックとして必要としているかで結構変わってくるんだが」
「えっと、それはその……可能なら両方」
さらりと無理難題を言ってくるバカに俺はチョップを入れる。
世の中にはメカニックとは別の仕事を兼業している局員もそれなりにいる。だが普通は通信関連といったもので前線には出ないものだ。
義母さんほどの頭脳も持っていなければ、一撃必殺の砲撃や超高速と呼べそうな機動力、膨大な魔力を持っているわけでもない。技術者としても魔導師としても、俺の能力は周囲の人間と比べると目を見張るものがないのが現状だ。
……けどまあ、これは今の俺だ。こいつが部隊を持つのは早くても数年先だろう。これまでの成長速度を考えると可能性は低いが、自分を高められる可能性はある。
大体魔力量といったものだけで魔導師としての力量が決まるわけではない。なのはやフェイトも昔はクロノにはコテンパンにされていたのだから……あいつは高ランクの魔導師ではあるけど。だが最も大切なのは自分なりの戦い方や役割を見つけることだ。ならば
「アホ、簡単に言ってくれるな」
「そうやな、ごめん」
「分かればいい……けどまあ、お前のそういうのは今に始まったことでもないし、可能な限り善処してやるよ。ずいぶんと日も傾いてきた。そろそろ帰ろう」
「あ……ちょっと待って!」
帰ろうとした矢先、はやてに大声で呼び止められてしまった。まだ話が終わっていなかったのかと思ったが、今話す分としてはここまでの分で充分に思える。いったい何を話すつもりなのだろうか?
「その……もうひとつ……あとひとつだけ話しておきたいことがあるんよ」
「何だよ?」
保有している魔力量が魔力量だけにはやてはこれまでにいくつものデバイスをダメにしてきた。だがその度にマリーさんが主体となって改善し、問題なく使えるようになったはずだ。
もしかして何かしらの追加機能がほしいとでも言い出すつもりなのだろうか。最近その手の頼みをしてくる人間……いやデバイスが多かっただけに可能性は低くはないだろう。
たがはやてが放った言葉は俺が全く予想だにしていなかった言葉だった。今日という日を忘れなくさせるほど強大な。
「あんな……わたし、ずっと前から……ショウくんのことが好きやったんや」
はやてが何を言ったのか最初は理解できなかった。しかし、3秒ほど経つ間に何度も頭の中に響き渡り……嫌がおうなく理解させられた。
間違いない。俺は、八神はやてに告白されている。
――はやてが俺を……い、いや落ち着け、今まではやては俺との関係を否定してきたじゃないか。それが急にこんなことになるはずない。
だが、はやての顔が赤くなっているのも赤みを帯びた日のせいではなさそうだ。どこか怯えたようにも見
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