world war3−『真の全能とは』−
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ために握っていた剣も取り落とす。
闇に囲まれたこの状況で、この被害は致命的だった。
−−あっ。
シンは、自らの敗北を悟った。
恐らくここでシンが死のうが、待っているのはログアウトの未来だけだ。
残り百数十年残っているアンダーワールドでの生活からの脱出が、少し早まるだけ。
だが、その闇が放つ『死』は、どの仮想世界よりも、現実に見えた。
−−死にたくないかい?
何処からか声が聞こえる。否、頭に直接声が響く。
シンは、半ば無意識に答えた。
−−ああ、死にたくない。
−−例え、世界を賭けた戦争に巻き込まれようとも?
−−生きられるのなら、安い。
−−そうか。なら、君に力を与えよう。《主》の名の下に、君を真なる『全能』とする。
−−目覚め給え、『代行者』。
「……『終ワリヲ裂ク破壊ノ杖__【絶世ノ剣】」
闇が、焼き払われた。
たった一言呟いただけで、闇が根本から消え去っていく。
『純白の』炎が闇を撫で、世界を照らしていく。
それを危惧するかの様に闇が再び溢れ出し、炎を喰らおうと暴れ出す。
「失せろ……『世界ヲ照ラス大イナル星__【太陽神ノ夢想ハ虚空ヘト】』」
太陽が地上へと降臨する。
「『時スラ凍エル地底ノ罪__【氷土ノ王ハ未来ヲ拒ム】』」
冷たい、孤独な世界が、闇を包む。
「『大地ノ民ハ等シク不変__【過去ヲ繋グ始マリノ世界樹】』」
生い茂る世界の守護樹が、闇を取り込んだ。
一言一言は天変地異を起こし、不滅と思われていた闇を凄まじい頻度で潰してゆく。
それはもはや、幾ら《全能の剣士》などと呼ばれようとも、一介の人間に使える力ではない。
−−それは、明らかに。
−−世界を揺るがす力を持った。
−−かの全能神とはまた違った、真なる『全能』の誕生だった。
その、異能の名は−−−
『神ヲ統ベル者』
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