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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
43 現れたメシア
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、トランサーを操作しようと構える。
トランサーはこの研究室の管理コンソールに接続されていた。
ヨイリーは研究室の電気を落として暗闇を作ることで隙を生み出そうとしていた。

「…っ」

実行するヨイリーだけでなくシドウたちも神経を尖らせる。
そしてそれを悟られないように視線も態度も自然体を装う。
だが木場の出した指示は予想と僅かに違っていた。
木場の連れてきた4人の部下は2人ずつの組に分かれて、半分は予想通りシドウの方へ向かったが、もう半分はヨイリーの方へと向かったのだ。

「!?...なに」
「ヨイリー博士、あなたを今回の事件で現れたこの正義の味方気取りの凶悪犯を裏で操っていた容疑で拘束する。そこの双子分析官のPCのログから、あなたのPCに通信歴と凶悪犯との関与を思わせる資料が見つかりました」
「!?チッ、課長権限ってやつか…」
「そんな…」

ヨイリーは両腕を抑えられ、トランサーを没収される。
更に木場はリサとマヤのPCから盗んでプリントアウトした資料をクシャクシャに丸めるとヨイリーの顔面に投げつけた。
シドウたちは先手を打たれてしまったのだ。
リサとマヤは自分たちの用意した資料でヨイリーの首を絞めてしまったのだ。
必死で隠しているものの、よく見ると今までに無く悔しそうな顔をしていた。
だがこれで終わりではない。
次こそシドウたちが予想していた事態になった。

「さぁて、メインディッシュ。凶悪犯その2、暁シドウくん。君は今回、計画を自ら立てておきながら、任務の途中に計画を放棄、そのせいで隊員に多くの負傷者が出た。そんな君には敵のスパイの容疑がかかっている」
「ハイハイ、ゼッテーこうなると思ったよ!」

自信満々で何も悪びれることもなく、木場は自分の立てた計画をシドウが立てたことにして全ての責任を転嫁してみせた。
シドウの予想はほぼ全て当たっていた。
予想できなかったのは、計画すらも立案したのも自分だと書き換えられてたことくらいだ。
しかも万事休すな状態だというのに、自分への容疑の予想が面白いほどに当たり、笑いを抑える事に力を使っていた程であった。
この手の人間は間違いなく自分の過ちを認めず人に転嫁する、それは今まで何人もの世界中の俗にエゴイストと呼ばれるような人間たちを見てきたシドウの経験則だった。

「君たち2人をひとまず拘束、絶対に自白させてみせよう」
「まさかオレたち自白させて、事件解決?事件を直接起こしてる連中は野放しで」

「あぁ…君みたいな犯罪組織で育てられて、正義感に目覚めた子供みたいな奴には知っておいてもらおう。世の中ってのは利益を追求することで高いレベルへと進んでいく。みんな有罪だの無罪だの何か本当はどうでもいいのさ。誰かしらが罪を背負い社会から追放される。それだけで
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