精神の奥底
43 現れたメシア
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るわ。だったらせめてこれ以上、彼にかかる負担を減らさないと…」
「これを使うと体への負担が軽減できるんですか?」
「…かなり軽減されるでしょうが…それでもまだまだ常人の扱えるレベルと言えない。でも初期のアシッド・エースを超える負荷のスターダストを扱ってきた人間にとっては装着中に感じる負荷は無いも同然でしょう」
「もとから人間が扱うことを度外視したシステムとそれを扱う人間…既に何が起こるのか予想できない次元に足を踏み入れてしまったんでしょうか?」
「そうね…今まで誰も使ったことがないから、開発自体が手探りだったしね。もしこのパッチが正常に動けば、理論上はDNAコンピューターが作動、圧倒的な処理能力で現在確認されている電波人間の中ではあらゆる意味で最速とも言っても過言ではない存在になるでしょう。でもそれが装着者にどんな影響を及ぼすのか…リサちゃんの言うとおり、全く予想できないというのが本当のところ」
いまいちヨイリーの声には自信がない。
イレギュラーなことが続いた上、データとして扱うことができない事象であるからだ。
もはや憶測で言っている部分が確信を持って言っている部分の割合を上回っていた。
「ところで…これを渡すことは了解しましたが、もう1つ聞きたいことが。これに見覚えは?」
「これは?」
シドウはトランサーのアルバムアプリから1枚の画像ファイルを開いてヨイリーに見せる。
撮影日時はついさっき、殆ど日も落ちた夕暮れ時でその印象的な白と青のボディが際立っていた。
「スターダストが脱出に使った自動二輪型の機動ビークルです。報告によると厚さ50センチのコンクリを破壊する程のEMPキャノンやウェーブロードを走れるタイヤを装備しているらしいとのことで…」
「ウェーブロードを…走れる?」
「ここのところ…非常に不鮮明ですが、WAXA、というかサテラポリスのロゴに近いものがプリントされている。何か知っているんじゃないかと思って」
スター・イリュージョンのカウルやテールなど幾つかの部分をズームすると確かにそれに近いものが見受けられる。
それが意味するところはサテラポリスに支給されるために開発されたもの、それが何らかの経路でスターダストの手に渡ったということだ。
しかしWAXAを含めたサテラポリスに支給される自動二輪型ビークルであるサテライト・チェイサーとは明らかに形状が違う。
シドウを含めたこの場のWAXA隊員全員が見たことの無い、それもサテライト・チェイサーの性能を遥かに凌駕した未知の機動ビークルだ。
隊員たちが知らずとも開発する側のヨイリーならば何かしら知っているかもしれないとシドウは踏んだ。
「…これは…いやでも…まさか…」
「何か知ってるんですね?」
「いや…私の記憶が確かなら…試作機はI.P.Cの倉
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