精神の奥底
43 現れたメシア
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れる段階で子供であるのは間違いない。下手をすれば赤ん坊かもしれない。だからせめてスターダストになる運命を背負ってしまっても、身の安全を守れるように…と。全く…無責任によね。システムごと廃棄してしまえば良かったのに」
「…そして、その人物は本当に現れた。まるでValkyrieに汚されかかった世界を浄化する救世主、『メシア』さながらに」
「えぇ…でもできることなら早くシステムと切り離してあげないと危険よ。体への負荷はもとより、未知数の部分も多いんだから」
「まだ何か?」
「これを見て…」
ヨイリーは再び資料を戻す。
それは見たことのない言語と専門用語、更にスターダストの胸部と思われる図で構成されていた。
時折、数字が読み取れる程度でヨイリーを含めた誰も理解できなかった。
「何すかこれ?」
「分からないわ」
「博士にも分からないんですか?」
「じゃあ私らにも分からなくて当然だ」
「一応、読めなくはないわ。でもここに書かれている理論は全く理解できない。未知の理論とでも言えばいいのか…エースプログラムに近いものがあると言えば、あるような気もするんだけど…」
「想像でいいんで、博士の思いつく可能性としては?」
「皆目検討もつかないわ。非常時に敵を道連れにして爆発する起爆装置かもしれないし、未知のレーザー兵器が隠されているのかもしれないし、3分経ったら鳴り出すかも」
「ウルトラマンかよ」
「それはさておき、問題はDNAコンピューターの処理回路に近い位置に未知の物体があることよ。もしDNAコンピューターに何か影響を及ぼすことがあれば…最悪の場合…暴走する」
「暴走…」
「現在止める術はアシッド・エースだけだけど、向こうの装着者はシステムによる負荷を物ともしないような相手だとすると…勝ち目はあるかどうか…」
「一体誰なんです?この意味不明なものを仕込んでいってくれたのは?」
「それが電波変換の下地になる技術を提供してくれた科学者なのよ…今では連絡も取れないし、プロジェクトに関わった科学者の中には既に死んだ者もいる。私だって年齢的には死んでもおかしくない歳だし…」
「なんか胡散臭いですね。まるでスターダストの制作を含めて何か仕組んでいるような…」
全員がスターダストは使っている者だけでなく、他の人間にも何か危害を与える可能性のあるものを抱えていると理解した。
使っている者の命も危険だが、もしこれだけの性能を持つシステムが暴走すれば、Valkyrie以上の脅威になりかねない。
それにプロジェクトチームの中でヨイリー自身もよく知らない人間が随所随所で何か関わっている。
事態を安心して静観することはできない。
「一刻も早くシンクロナイザーからスターダストを切り離さないと…」
「え?なんだって?」
マヤ
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