精神の奥底
43 現れたメシア
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起動キーは私のPCに分割する形でね」
「だからPCに侵入され、データが勝手に送信されてたわけか」
「サテライトサーバーからの侵入履歴も残っていました。しかも事件の数日前にも。恐らくトラッシュがシステム起動用のプログラムを盗み出し、適合者に送信した」
「そして事件当日は適合者がシステムを起動したことで、システム自体がばあちゃんのPCに侵入して、残りの必須プログラムを強制的にダウンロードしたってところだろう」
「でもこっそり改良を続けていたのでは?」
「未完成のまま放っておくのが辛くてね。出力は扱えるレベルに下げ、不必要な武器はオミット、接近戦用に最低限の装備をプラス…不適合な人間が万が一にも使って、システムの負荷に耐えられずに命を落としたり、脳への影響で暴走することの無いように不適合者と判断した場合はシステムが電波変換自体をリジェクトするようにと安全装置を設けた」
「でも一体誰なんでしょう…?それだけの負荷が掛かるのに使いこなすなんてどうやったら…?」
「可能性としては鎮痛剤とか薬物を限界まで投与してシステムを使ったか…」
「オレも多少使ってやりましたが、あまり効果は無かったな…むしろ投与しすぎれば体の方が持ちません」
「テトラヒドロカンナビノールとか?」
「合成カンナビノイド系の薬物か…考えられなくはないっすけど、あれは目の前の空間認識とか時間間隔もヤラれますよ?電波変換してもまともに戦えないのは変わらないんじゃ…」
「じゃあアンフェタミンとかの覚醒作用のあるやつのチャンポンとか?」
「…もう1つの可能性があるとしたら…データバンクに載っていない人間」
「そうね。私もその可能性は考えた。この時代、生まれた赤ん坊ですら血液型やDNAを採取されてデータベースに反映される。もちろん極秘裏にね。もしデータバンクに載っていないとなれば、まだ生まれていない人間か、出生後に正規の手続きを受けていない人間か、ミスか何らかの意図で正しい情報が載っていない人間か…既に死んだことになっている人間か」
「既に死んだことになっている人間…もしかしてデータバンク自体が改ざんされてたりして?」
「でもヨイリー博士はいつかスターダストを扱える人間が現れると考えていたのでは?」
「というと?」
リサは最後の資料ファイルを開く。
それはスターダストのシステムとは直接的は関係の無いものだった。
「『トール・ショット』なる携帯型の武器の設計図とトラッシュに装着者を最優先に守らせる人格プログラムの一部です。これは装着者となる人間を守るためのもの。そしてもし現代にはいなくとも、将来使える可能性のある人間が現れれば、プロジェクトは再び動き出すかもしれない。そうなれば、その被験者は多くの組織に命を狙われかねない…」
「将来生まれてくる以上、目をつけら
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