暁 〜小説投稿サイト〜
流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
43 現れたメシア
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「システムが装着者に対して求める要件が高過ぎたのよ。シミュレーションの結果、現在の人類には到底適合できるものではなかった。システムは誰が使っても確かにある一定のラインを越えた高い出力を発揮することができる、でもそれは装着者の先天的か後天的に電波変換に適した体質であったり、その人装着者自身の身体・頭脳の能力によって左右される。すなわち力を膨らますための下地が必要なのよ」
「電波変換に適した体質や能力というと?」
「電磁波を使ったマテリアライズ、何かと同調するシンクロ、それによる共感覚、予知、電波や紫外線などが見える特殊な目…現代の科学では100%理論的に説明できない能力、それも電波、電磁波に関する何かしら能力を持った人間は電波変換、というか電波体との適合率が高いことが分かったの。我々はそんな人間たちを『ロキの子』と呼んでいるわ」
「なぜそんなことが分かったんですか?」
「ステーションから見つかった電波体のDNAやアシッド、そしてトラッシュともデータバンクから比較的適合率の高い人間の人間をリストアップすると皆、この手の能力を持っている者ばかりだったのよ。理論的な裏付けはまだだけど、まず間違いないわ」
「じゃあ彼らの中にシステムを使っている人間が?」
「いえ。彼らはその特殊な能力ゆえに研究機関で隔離される生活を送ってる者ばかりよ。一応、可能な限り連絡は取ってみたけど、施設から一歩も出ていないそうよ」
「そんな引き篭もりだらけの連中が電波変換しているとはいえ、ここまで見事に戦えるもんかね?」
「その点に関しては問題無かったでしょう」
「え?」

マヤは少し驚いた表情をしながら、スターダストの監視カメラ映像からヨイリーの方に顔を向けた。

「DNAコンピューターが闘争本能を引き上げる特殊な電気信号・アスラーサブリメイションで装着者の脳に干渉して強制的に闘争本能を引き上げるわ」
「おいおい…そんなのに頭ヤラれたら性格変わっちまうぜ?大丈夫なのかよ、ばあちゃん?」
「これが使いこなせない理由の2つ目よ。脳が順応できない場合、電波変換を解いた後でもこの効果が残留し続ける上、凶暴で攻撃的になり、精神がどんどん破壊されていく…最悪の場合、廃人同然になってしまうわ」

ここまで聞くだけでも、この場にいるシドウを含めた、いわゆる「普通の人間」では使えない。
その上、更に条件があるとすれば、人数は限りなく絞られる。
だがシドウやマヤの勘ではそこまで分かっていても、ヨイリー自身が状況を飲み込めていない。
ヨイリーの口調もヨイリー自身の疑問と重なり始めているからだろうか、最初に比べて言葉に詰まるようになってきた。

「そして最後の理由はアシッド・エース同様、装着者に多大な負担を掛ける。システムが自らを一番運用しやすい状態に装着者の肉体を変えてい
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