預言
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守護騎士の皆は聖王教会の騎士達との手合わせに向かおうとしたんやけど、カリムが「あ、もう少し待って」と静止を促してきた。
「どうしたんですか?」
「あなた達を導いた暗黒の戦士について、少し訊きたい事があって……」
「サバタ兄ちゃんの事ですか?」
「そう、サバタさんについて。率直な質問なんだけど、彼は人類に絶望したりはしていないかしら?」
「はい? 質問の意図がよくわからないんですけど……サバタ兄ちゃんが人類に絶望って、それはどういう意味でそんな事を訊いたんですか?」
「実を言うと……私には預言者の著書という、未来の預言書を詩文形式で書き出すレアスキルがあります」
それってザジさんの“星読み”みたいな能力なんかな。でもあっちはある程度直接表しとるのに、こっちは詩文形式かぁ……ちょっと面倒やね。
「それでこの前導き出した預言には、恐らくサバタさんの事を暗示している内容が書かれていたわ。それで文章はこうなっていたの……。
【時と狭間の果てより舞い降りし月と暗黒の戦士 異なる大地に満ちた闇をその身を以って浄化し 小さな太陽を目覚めさせん されどその身に秘められた深き慈愛が絶望に染まれば 戦士は破壊の狂気に飲まれ 総ての希望は虚無へ回帰す 天上の黒き戦乙女の加護に導かれし彼の戦士の魂が潰えし時 人の未来は星を越える意思の手で虚空へと消え去らん】
……どう? 質問の意図がわかったかしら?」
うん、今ので私らも十分わかった。大体わかる範囲で解釈すると、“時と狭間の果て”っちゅうのはサバタ兄ちゃんやエレンさんの出身である世紀末世界。“月と暗黒の戦士”は月下美人の力を受け継いだサバタ兄ちゃんのこと。“異なる大地に満ちた闇”は多分、P・T事件や闇の書のことで、“浄化”はそれの解決。“小さな太陽”は……きっと太陽の力を得たフェイトちゃんとアリシアちゃんの事やと思う。
そこまでは普通に解釈が可能だ。でもその先が問題や。“深き慈愛”は私達に注いでくれた愛情とかやと思うけど、それが“絶望”に染まれば“破壊の狂気”に飲まれる……即ち、サバタ兄ちゃんの身に宿るヴァナルガンドの破壊衝動が目覚めてしまうって意味やと思う。“総ての希望は虚無へと回帰”は……感覚では実感できる。私にとってサバタ兄ちゃんのいない世界はもう考えられへんからね。“天上の黒き戦乙女の加護”は、全く見当がつかへんけど……“星を越える意思”はわかる。
銀河意思ダーク……人類をアンデッドにして死滅させようと企む超常的存在。“戦士の魂が潰えし時”、そいつの手で人類の未来は閉ざされるっちゅう事は……要するにサバタ兄ちゃんがもし……もしもッ! 死んじゃったりしてしまったら、この次元世界に生きる全ての人類はダークの手で滅ぼされるっ
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