預言
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督”という単語に嫌悪感を抱いたらしいわ。本人は言うつもりが無いみたいだけど、私達は情報を得て推測したの」
「いやそれ単純で済むような話やないです! バリバリ重要です!」
横を見るとヴォルケンの皆も一斉に頷いていた。こんな事実を知ったらサルタナ提督……閣下を“提督”って呼べなくなるのも当たり前や。最初から閣下と呼んでいたエレンさんもそうやけど、カリムとシャッハが彼に対して“提督”という呼び名を使わなかったのも納得したわ!
「…………」
話に一応のオチが付いてひと段落した所で、マキナちゃんは持ってきた封筒をカリムに手渡した。首を傾げながらカリムがそれを読み進めると、少し驚いた表情でマキナちゃんを見つめる。
「マキナさん……『聖王教会で回復魔法を学びたい』って、そう考えた理由は何かしら?」
「………」
回復魔法を学びたい? そういえばマキナちゃんって潜入任務の際に、リーゼロッテさんへ回復魔法を使った事があるんやったね。狙撃やSEEDの事ばかり目が行ってたけど、何気に回復魔法の素質もあったわ。という事は、マキナちゃんは治癒術師の道を歩むつもりやろうか? 戦いから離れた彼女が進もうとしたのは、人を救う力。それは……治癒術師のシャマルにとっては嬉しいかもしれへんね。実際、シャマルは微笑ましく見守っとるもん。自分が救った人間が、他の人間を救っていく。そういう繋がりって素晴らしい事やしね。
カリムの手の平に自分の気持ちを書き連ねたマキナちゃんは、その後に私の方を見て何故か首を振ってきた。その意味がわからずにいると、代わりにカリムが解説してくれた。
「マキナさんは本当に戦いから離れるかどうかはまだ決めていないそうよ。でも回復魔法を学びたい気持ちは本物だから、はやてさんの考えはちょっと違うという意味で首を振ったみたいね」
「あ、そうなん? ってかマキナちゃんは、なんで私の考えてる事がわかったん?」
「…………」
「『これでも元狙撃手だから、考えてる事は多少でも見抜ける』、だそうよ」
そう言われると脱帽するしかあらへんな。SEEDで無理やり底上げしてたとはいえ、狙撃手として彼女自身が積んだ経験もあるから、彼女の言い分は十分納得できる。それとカリムが通訳というか代弁しとるけど、やっぱりマキナちゃん自身と会話出来ないと色々不便やね。私の足が改善に向かったのと同様に、マキナちゃんも手話や手書き以外で会話する方法を見つけられたらええなぁ。
「さて……マキナさんの件も了承しました。もう一つの件はほとぼりが冷めたら、改めて正式な返事をもらいますね」
「(コクリ)」
もう一つの件? 興味はあるけど、そっちはまだ未定らしいから今聞く必要は無いかな。
とりあえず私らの用事が全て済んだ所で、これから
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