ドライブ&鎧武 Movie大戦フルスロットル
神の復活に必要なものは何か?
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――メガヘクスと貴虎・光実の戦いを、碧沙と舞も隠れて見ていた。
貴虎の奮戦により、極の鍵は奪取できた。
だが、その奮戦こそが、メガヘクスの逆鱗に触れた。
『諸君を抹殺する!!』
メガヘクスが兄たちに大きな攻撃を放とうとしているのは、碧沙の位置からでも瞭然だ。
(どうしよう。このままじゃ光兄さんが。貴兄さんが)
喪う恐怖に震えそうになった碧沙の、肩を、舞が掴んだ。
「ヘキサちゃん、あたしに血を飲ませて!」
「え!?」
「ヘキサちゃんの血。ヘルヘイム抗体。前みたいに、あたしを“はじまりの女”に戻して!」
「で、でも、わたし……」
「迷わないで!」
碧沙は、はっとした。
迷わない。
それが呉島碧沙の唯一の長所だったはずだ。
碧沙は近くの生垣の植物を折り、鋭利に折れた枝で腕を力一杯こすった。微かだが血が滲み出た。
その腕を舞に差し出すと、舞は碧沙の腕に浮かぶ血に吸いついた。
舞の体が白く光り、姿を変える。
髪は金へ、衣は白へ。神の横に並び立つ女神の御姿へ。
“はじまりの女”に戻った舞は、貴虎と光実の前に転移し、バリアを展開した。
メガヘクスの衝撃波は遮られたが、押されているのは舞のほうだ。
「貴兄さん! 光兄さん!」
碧沙は急いで兄たちのもとへ駆けつけ、倒れた貴虎と支える光実の背に手を添えた。
今は舞のバリアが衝撃波から守ってくれているが、それもいつまで保つか分からない。
『諦めろ! 諸君は無力である!』
呻く貴虎の手の中には、葛葉紘汰が使っていた極の鍵。
光実が鍵を握る貴虎の手を握った。
碧沙も、一瞬だけたじろぎ、手を重ねた。
――三兄妹の手が、初めて、ひとつに重なった瞬間だった。
《 ロック・オープン 》
“俺は絶対に諦めない!”
確かに聞こえた、力強い声。
メガヘクスの青い衝撃波が舞のバリアを打ち破った。
しかし、衝撃波が彼女たちを焼くことはなかった。
オレンジ色の球体が、碧沙たちを守るように包み込んでいたからだ。
「兄さん、傷がっ」
「これは――治っている? どうして」
「もしかして……!」
オレンジの球体が割れ、光で構成された無数の果実のアームズと一体化し、碧沙たちの背後で天から地へ迸った。
やがて極彩色のカーテンが上がる。
これほど壮麗なステージに立つ演者がいるとしたら、碧沙には、ただ一人しか思い当たらない。
「待たせたな、みんな」
“はじまりの男”――葛葉紘汰、オン・ステージ。
舞の体が白く光った。光が晴れてから変化があった
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