第32話 気付かれないように近づくのに上から派はいない
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イフを引いて
そのまま上へと避難していった。
「やるな。だが、次はねぇぜ?」
そうして、男はガサガサと茂みの中を移動していった。
音は聞こえるのに、全く気配が掴めない。
おそらく彼は暗殺者なのだろう。
今度は真後ろから襲って来るのか。
それとも、再び上から狙って来るのか。
何一つわからないまま、ただ時だけが過ぎて行った。
「‥‥‥‥‥どうする?」
迅は全員に向かって小さい声で尋ねた。
彼は俺の前に座り込むようにして構えている。
おそらく、あの男からの第二撃を防ぐつもりなのだろう。
「奴は気配を断つことが出来るらしい。このまま警戒を
長時間保ち続けるのは、正直限界があるだろう。
せめて、あと数分で対策を練らないと―――――――ん?」
俺が迅の服の裾を引っ張っていたのに
気付いたらしく、顔を近寄せて来た。
「どうした?ジェーン」
「‥‥‥‥‥対策なら、一つある」
「!! 本当か!?」
ジェーンは全員に寄るように言った。
さて、あの男への反撃の開始である。
**********
少し離れた木の上から見る限りでは
奴らは何か作戦会議でもしているようだ。
男は鼻で笑った。
『フッ、誰もこの“葉隠”の位置には気付けねぇだろうな。
俺の″超技術″、″気配遮断″の前では』
彼の″超技術″、″気配遮断″とは
文字通り、気配を完全に遮断する能力である。
生物は動く時などに脳から信号が送られてくる。
それを受け取って筋肉が動くのだが、この際に
微弱な電気が発生して、皮膚の表面から漏れ出て来る。
これを他人が察知すると、それは″気配″と呼ばれるのだ。
彼の″超技術″はその″気配″をもう一重、微弱な電磁波で
全身を覆うことで、それを完全に遮断することが出来るのだ。
ちなみに余談だが、これは自分だけでなく
別の生物にも使用することが出来る。
しかし、彼は徒党を組んで戦うようなタイプではなく
滅多にこんな使用法をすることはないので、ここだけの話である。
『さぁて、奴らはどう動‥‥‥‥‥ん?』
ダダダダダダッ!!
遠くに見える日本刀を持った少年が
こちらに向かって一直線に駆け出してきた。
葉隠は内心焦ったが、すぐに落ち着きを取り戻した。
『焦るな俺、よく考えろ。
奴らは俺を肉眼で見つけないと
まともな位置も分からないんだ。
このままバレないように隠れていれば
再び隙が出来る。その瞬間を狙えば―――――――――』
ザンッ!!
「うおッ!?」
突然、目の前を何かが空を切った。
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