第32話 気付かれないように近づくのに上から派はいない
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中に向かって歩いて行った。
(おそらくアスラは心を落ち着かせるのに
集中しているので気付いていないようだ)
ガバッ!
「だ〜れだっ♪」
「うわっ!?」
マリーが後ろから目隠しをした。
アスラは驚きのあまり変な声を上げた。
そして、いつものように楽しそうに会話を始めた。
傍から見てみると、どうみても二人は
ごく普通の初々しいカップルにしか見えなかった。
「‥‥‥‥‥‥いいな、マリーは」
最も身近に頼りになる男がいて。
「‥‥‥俺にも、出来るのかな‥‥‥‥‥」
誰にともなく訊いてみたが
その答えが返って来ることはなかった。
**********
少し休憩を入れて、大分みんな落ち着いたようだ。
「んで、話の続きはどうなったんだ?」
リオさんたまらず俺に訊いて来た。
よっぽど気になっているのだろうか。
一応、俺的には話してるだけであの時の事を
思い出してきて結構辛いのだが。
「おいリオ、そんな無理にせかすのはやめろ。
ジェーンが言うのを待つってみんなで決めただろ?」
迅がリオさんに言い聞かせた。
しかし、それでも気になっているようだ。
ソワソワ感が抜けていない。
俺はため息をした後に口を開いた。
「しょ――――――――――――――」
しょうがないな、リオさんは。続きを話すよ。
そう言おうとしたが、その言葉は
次の瞬間の衝撃によって断ち切られた。
「話す必要はねぇよ」
上から男の声が聞こえた。
そして、間髪入れずに右方向から
風を切りながらナイフが首へと向かって来た。
「ここで死ぬんだからな」
″鎧骨格″を換装する暇もない。
完全に俺は油断しきっていた。
男のナイフは無情にも俺の喉を切り裂いて――――――
ガキィィィィィィィィィィィィィィイイイイインッ!!!
否。男のナイフは目の前に立つ少年、アスラが
鞘から抜き出した日本刀によって受け止められた。
ギャリギャリと互いの刀身が擦れる音が首元から聞こえた。
「俺が当事者なら殺られてたかもな」
彼はすでに″鎧骨格″を換装していた。
リオさんと話していた時、俺の上にいた存在に
もしかしたら気付いていたのかもしれない。
男が降りてくるまで、俺は気配さえ気が付かなかった。
この男は気配を完全に断つことができたのかもしれない。
しかし、肉眼で見えてしまえば無駄だろう。
アスラの位置は俺の少し前の位置。
仮に真上にいたのなら、おそらく彼には見えていたのだろう。
『目の前にいるのにいない感じがするな。
もしかして、これも″超技術″なのか?』
アスラが考えていると男はナ
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