Chapter01『非公式のセカイ』
第一章 開かれる大劇場 An_Encounter_With.
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になってしまった。
少女が指した『この状況』。第三者から見れば、明らかに自分が周りに転がる不良たちを痛みつけた加害者に見えることだろう。事実、彼女の口振りからしてそのように誤認されていることは間違いない。
確かに危害は加えたが、あくまでそれは正当防衛に入るものであるはずだ。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。話せば長くなるんだがコレにはちゃんとした理由があるんだ」
「えぇ心得ていますわ」
ニッコリと微笑み続きを促してくれた少女。そんな彼女にホッと安堵の息をつく。どうやら話を聞いてくれそうだ。そうと決まれば事細かくこれまでの経緯を────
「言い訳は、所でたっぷりと聞いてあげますの」
「─────……は?」
素っ頓狂な声を上げる折槻。
その視線の先で、どこからか取り出した手錠をその手にしっかりと持つ少女が、アスファルトで舗装された道を小さく蹴る。
淡い色をしたツインテールが揺れ動いたと認識した瞬間、少女の姿が一瞬で集の視界から消え失せた。
確かに先ほどまでそこにいた筈の彼女の姿はどこにもない。
目前で起きた現象に眉をひそめる折槻。その時だ、不意に自分の顔に影が射したと思った矢先、ドンッ! と背中を軽い衝撃が襲った。
何だと視線だけ後ろへ向けてみれば、そこには見覚えのあるツインテールが。先ほどまで目先にいたはずが、どうやったら相手に気付かれず、ましてや一瞬で自分の背後に回り込めるというのか。
普通の理念で言えば不可能で片付けられる現象。しかし、折槻には思い当たる節がある。否、思い当たるのはこの答えしかない。
(この子、テレポーターか……ッ!)
地面に倒れ伏した彼が出した結論は、なんとも非科学的な答えだった。しかし、折槻やその上に馬乗りになり拘束する少女、加えて彼らと同じこの街に────学園都市に住む人間にとってその答えは、非科学的でもなんでもない。
ここは、学園都市。科学によって『超能力』という未知の力が現実となった世界。
超能力なんてオカルティな概念が授業の一環として時間割りに組まれたこの街では、超能力を有した人間で溢れかえっている。
先に述べた通り、ここ学園都市では科学の力によって『超能力』を発現させることが可能になった街だ。
故に、先ほど彼女が見せた『テレポート』と言われる空間移動能力も科学的な論理が働いている。
最も、今は『空間移動』についてどうこう言っている場合ではない。
「ちょっと手荒すぎるんじゃない、ジャッジメントさん?」
「貴方みたいに誰彼かまわず襲うような金髪の不良さんには、これくらいの処置がちょうどいいですの」
「だからそれは誤解だって言ってるだろ!? それと俺を不良呼ばわりするな! 俺は真っ当
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