ターン25 邪魔蠍団と正義の誓い
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ちょうどいいところに来てくれたわね!』
『聞いてくれよ、万丈目のアニキが急に俺らのことを海に捨てるって言い出すんだよ!』
『それで俺たち、捨てないでくれって頼んでるのにアニキが全然取り付く島もなくて』
ここぞとばかりにまくしたてる三兄弟をいったん押しとめ、万丈目に向き直る。
「なるほどねぇ。んで?何か言いたいことは?」
「フン、くだらん。俺のカードを俺が捨てて何が悪いというのだ」
「……ねえ三兄弟、何?万丈目って白塗りしてからずっとこんな調子なの?」
「万丈目ホワイトサンダー、だ!」
怒る万丈目を尻目に、しみじみした顔でうんうん、と頷く三兄弟。なんか入学した時を思い出すなあ、この調子。
「ええい、なんだその目は!俺をバカにしているのか!」
「あーいや、こんな調子だと周りが大変だろうなあって……あら失礼」
おっとつい本音が。
「き、貴様……!もう許さん!遊野清明、お前にデュエルを申し込む!時刻は明日の日の出と同時に、場所は校舎の中央入り口前だ!」
「……で、お前たちを預かってきたのか?」
再びここはレッド寮。あの後すぐに帰っていった万丈目が置き忘れていったおジャマ三兄弟を放っておくのも忍びなかったので回収し、ちょうど水を飲みに来ていた十代と鉢合わせたのでわけを話す。ちょっと待ってろ、といって2階に上がった十代が、何やらもう一つ段ボール箱を持って帰ってきた。見ると、そこにもカードがたくさん。
「そいつらも一緒に戦うんだろ?だったら、これも使ってけよ。これが、万丈目があの時井戸から回収してきたカードたちだ。それと、黒蠍団のカード」
「おお、懐かしい」
ちょっと去年のことをを思い出してしみじみしていると、箱の中から眼帯をした半透明の男が起き上がる。
『おお、なんだお前らか。このザルーグに何の用だ?』
「おっひさー。ちょっとね、力を貸してほしいことがあって……」
食卓机にカードを広げる。今の万丈目が四六時中あんな調子なら、友人として一発ガツンとくらわせてでも目を覚まさせてやらねばなるまい。ちょうどいい、最初のターゲットは万丈目にしよう。
ただ悲しいことに僕のデッキはすでにいっぱいいっぱいでせっかくついてきたおジャマ要素を入れるスペースがない。なら、この万丈目のもとに集まっている精霊たちの力を借りてひとつ新しいデッキを作るしかないだろう。勝負は明日の朝、テストプレイをする時間があるかどうかもわからない。そんなデッキで勝とうだなんて、虫のよすぎる話かもしれない。それでも、やる価値は十分にある。光の結社がデュエルで洗脳するというのなら、こっちだって同じことをするまで。さらにこれは本人のカード、目を覚まさせる力もきっと高いだろう。
「よし、やるか!」
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