ターン25 邪魔蠍団と正義の誓い
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んだか計算づくみたいだけど、別にそんなことはない。お礼を言いたかった、というのは紛れもない本音だ。このタイミングで利用できるとは思ったけど。
「まだ思い出せないなら、これが最後の一手。いくよ、魔法発動!」
『『『待ってましたー!イエロー!ブラック!グリーン!必殺……おジャマ・デルタハリケーン!!』』』
三兄弟が輪になり、飛び上がってからものすごい勢いで回転を始める。そのままその輪が万丈目のフィールドにあるすべてのカードを取り囲むと、先ほど裁きの龍がぶちかましたような破壊の嵐が吹き荒れる。
「う……うおおおおおっ!」
爆風に万丈目の体が1メートルほど吹き飛ばされ、どさりと地面に倒れこむ。さすがに心配になって駆け寄ろうとする僕を手で制し、よろめきながらも立ち上がる。
「こんな、ことで、俺の斎王様への忠誠心は……」
まだ駄目か。思いのほか洗脳が強いせいでこちらの出せる手はもうほぼない。でもあと何か、もうひと押し欲しいところだ。と、その瞬間に声がする。こんなタイミングのいい男なんて、僕は一人しか知らない。こんな、まさにヒーローみたいなタイミングの良さは。
「お、居た居た。おーい、万丈目!お前の制服だぞ、受け取れ!」
「お前は、十代!?」
待ってました、十代。手にした黒い服を得意げに見せつけてから、それを万丈目めがけて投げつける。きれいな軌道を描いたそれが、万丈目に頭から覆いかぶさった。
「な、なんだこの変なにおいは!?」
「それは醤油だよ。だいたい万丈目いっつもいっつもこぼしては袖で拭き、こぼしては袖で拭くんだもん。おまけに服そのものが黒いせいで汚れも目立たないし。どうせ洗濯しないんならせめて雑巾とか使ってよ」
「そうだそうだ、今まで気づいてなかったのかよ!今日だってその服もってくるとき、ちょっと臭かったんだぞ!」
『うんうん、万丈目のアニキったらいくら言っても聞かないもんだから……』
「お・ま・え・ら・なあ!ええい、人の服をそんな乱暴に扱うんじゃない!」
バサリと白い上着をそこらへんに脱ぎ捨て、久しぶりに見るいつもの格好に戻った万丈目。僕らの方ににやりと笑って見せ、デュエルディスクを構えなおした。
「待たせたな、清明。なぜおまえの場にその雑魚3兄弟がいるのかについては聞かないでおいてやるが、今はデュエルの最中なのだろう?」
その懐かしい偉そうな調子に、思わずこちらも頬が緩む。そうか、ようやく帰ってきてくれたんだ。
「まーね。1枚セットして、ターンエンド!」
万丈目 LP400 手札:2
モンスター:なし
魔法・罠:なし
清明 LP1800 手札:1
モンスター:おジャマ・イエロー(守)
おジャマ・グリーン(守)
お
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