暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン25 邪魔蠍団と正義の誓い
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りだ。でも、今回ばかりはその方が正しいのかもしれない。いつまでも部屋で考え込んでたって、どうせ途中で昼寝して終わるだけなんだ。だったら、デュエルで解決するのが一番だろう。だけど、もうあんな無差別に襲いかかるような真似はしない。あれは実際、僕の中でもかなりの黒歴史だ。
 なら、どうするか。やっぱり頭の部分……斎王を直接叩けるのが理想なんだけど、あいにくあの周りには常に警護がいるから手出しがしづらい。それを無効にするには光の結社の中でもいわゆる幹部クラス、葵ちゃんや三沢、鎧田に万丈目や明日香を狙ってみよう。

「ありがと、十代。なんか色々吹っ切れたわ。じゃ、とりあえずシンプルにステーキにしてみたから、このカンガルー肉とやらを食べてみようか」
「おう!」

 カンガルー、美味しかったです。隼人にはあとでお礼を言っておこう。

「ふー……」

 その後洗い物も終わらせ、ふと窓から見える夜の海を見る。ここ数日慌ただしかったし、久しぶりに散歩するのもいいかもしれない。十代は今日もまだネオスペーシアンのコンタクト融合とこれまでのHEROの共存に悩んでいるらしいし、誘うのも悪いだろう。いっぺんどこまで進んだか聞いてみたのだが、メインデッキは割と完成してきたのにエクストラの15枚制限のせいで本気で頭がパンクしそうになっているらしい。今のところは妥協案として常に全種融合体を持ち歩き、デュエルのたびにフェイバリットカードのフレイム・ウィングマン以外をランダムに入れ替えてるとのこと。大変そうだなー、融合って。

「どれ、ちょっと外の空気吸ってくるよー」

 自分の部屋にいる十代に声をかけ、靴だけはいてふらりと外に出る。特に誰とも会わずに歩いていると、いつの間にか海岸まで来ていた。静かに波の音でも聞こうかと耳を澄ませると、まったく別の騒がしい声にせっかくの音が全部かき消される。

『助けてー……アニキ〜………』
「ええい、うるさい!お前らは邪魔になると何度言ったらわかるのだ!」
『そんなつれないこと言わないでよ、オイラ達とアニキの仲じゃないか〜』
「貴様らみたいな不細工、俺は知らんといったはずだ!」
『そ、そんな〜!』

 相手によっては張り倒そうかと近づいてみると、そこには段ボール箱を抱えた万丈目……あー、ホワイトサンダーとおジャマトリオがいた。どうも万丈目が段ボールを海に捨てようとしてるのを、トリオが懸命に引き留めようとしているらしい。

『頼むよ、アニキー!』
「知らん知らん知らーん!」
「何やってんのさ、こんな夜遅くに」

 ますます両者ともにヒートアップして声が大きくなってくるので、さすがに耐えかねて話に割り込む。するとおジャマトリオがよっしゃあ、と言わんばかりの顔でこちらのほうに飛んでくる。

『清明のダンナー、
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