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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 中学編 28 「真夏の海辺で」
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 肌を焼くような強い日差し、耳に届く波の音。
 これだけの説明でも分かる人間は分かるだろうが、俺は今日海水浴に来ている。俺以外のメンバーはディアーチェ、レヴィ、シュテルの仲良し3人組と彼女達と昔から交流のあったフローリアン姉妹だ。

「ショ、ショウさん……その、良ければもう少し持ちましょうか?」

 遠慮気味というかこちらの顔色を窺う感じに話しかけてきたのは、パーカーを羽織っているアミティエ先輩だ。彼女と出会って……いや幼い頃に会っていたらしいので再会してからというほうが正しいか。まあとにかく1年以上の時間が流れている。
 再会した頃よりは話せるようになっているのだが、どうにも先輩は俺と話すときは緊張するらしい。今日は水着を着ているのでそれが原因かもしれないが。
 ちなみに今俺と先輩は昼食やら飲み物の買出しに行った帰りだ。じゃんけんの結果、本来は先輩だけ行く予定だったのだが、飲み物を買うとなるとそれなりの重量になる。そのため、俺も一緒に行くことにしたのだ。

「大丈夫ですよ、大して重くないですから」
「そ、そうですか。で、でも……本当は私がやるべきことですし」
「気にしないでください。俺が好きでやっていることですし、先輩は女の子なんですから」
「あ、ありがとうございます」

 先輩は恥ずかしげに言うと顔を俯かせてしまう。
 妹のキリエに比べるととても良い性格をしているのだが、どうにも純情過ぎるのか俺とふたりで話すときなどは言葉数が少なくなる人だ。キリエやディアーチェ達と話しているときは普通なのだが。
 これは余談だが、先輩は風紀委員長になったこともあって一部の生徒からは風紀お姉ちゃん『あみたん』と呼ばれている。後輩の女子の中には先輩のことを『お姉さま』と呼ぶ人間もいるとか。普段の先輩は下級生ウケしそうなので不思議ではないが。

「そ、その……ショウさんはやはり体を鍛えられているんですか?」
「え、あぁまあ。とりあえず毎日走ったりはしてますよ。たまに知人と木刀を使って素振りとかやったりしてますけど」
「なるほど、だから良い体をされているんですね」

 俺以上に鍛えている人間はたくさんいるし、あまり言われ慣れてもないので恥ずかしさも感じた。だがまあ、日頃の努力が褒められているような気がして嬉しくもある。
 そのように思った直後、先輩の顔の赤みがどんどん増して行く。何かしら言葉を発しようと口を開いているのだが、考えがまとまっていないのか、それとも感情に体が付いていっていないのか言葉が発せられていない。

「ええええっと、その、あのですね、べべべ別にやましい意味合いで言ったのではなく! その、本当に良い体をされているなと思っただけであって……いやいやいや、そうじゃない、そうじゃないでしょ私!」
「先輩、大丈夫です。
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