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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百十三幕 「油断するものを敗者と呼ぶならば」
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サイルガドリングか?何とも物騒なものをッ!!」
「ふふ、スポンサーが有能だからね!悔しいならユウちゃんも最上重工におねだりしてみたら?きっと嬉々として作ってくれるわよ!」
「くっ、子供扱いするなって前から言ってるだろ!!」
「そーいう台詞が出るうちはまだまだ子供なの……よっとぉ!」

小馬鹿にしたような笑顔と共に向けられた砲身が火を噴き、射撃の追跡が容赦なくユウを追跡する。高速起動しながらのドッグファイトが繰り広げられた。ユウは流れ弾を気にして余り高度が取れないにも関わらず、雷陰の射撃は容赦なく高度から追い立てる。

背後、真横、真後ろ、正面。次々に着弾しては大きく爆ぜる射撃を、歯を食いしばりながら避け続ける。
荒鷹のように追跡する雷陰の速度は、まさに得物を追跡する狩人のそれだ。最上重工の手で昇華されてスペックを底上げした風花百華――日本最先端レベルのISと互角に近い速度である時点で、彼女とそのバックにいるスポンサーが只者ではない事を物語っている。

「でも、やれることは……ある!簪、おねがい!!」
「合点……承知!」

その声は、上空から射撃する雷陰の、更に上から。ハッと気付いたくノ一が空を見上げると、そこには沈みゆく太陽よりも高い空に水色の鎧が輝いていた。ユウが囮になっている隙に、簪が余裕を持って回り込んだのだ。

「どさくさで高所を取られた!?」
「HTLS起動……MRS同期!山嵐、斉射ッ!!」

簪の視覚に投影されるロックオンシステムが、けたたましいアラートと共に雷陰を捉える。瞬間、非固定浮遊部位から白煙を撒き散らして爆裂の針が空間に解き放たれる。上下左右縦横無尽の軌跡を描くマイクロミサイルは、簪の意を組むように生物的な機動変更と時間差を効かせて雷陰に襲いかかった。

だがそれを前にしても、やはりくノ一の不敵な笑みを揺るがすことは叶わなかった。

「判断は間違ってないけど、残念無念!こっちにはこんな隠し札もあったりして!」

くノ一はガドリングを片手に、もう片方のマニュピレータで濃桃色のスカーフを弾く。瞬間、通電したようにスパークを起こしたスカーフは突如高速で動きだした。リーチはおおよそ10メートル近く。野生生物の尻尾のようひとりでに動き回るそれは超音速の鞭のように飛来するミサイルを叩き落とした。
それも一発や二発ではなく、射程範囲に入ったものを目まぐるしい速度で次々に撃墜していく。

「これぞ忍術、マスタークロスの術!……嘘だけど!」
「独立兵装!?なら、こうする!!」

直後、簪の指示に従ったマイクロミサイル達が信管を強制発動した。
ゴバババババババァッ!!と、着弾前に空間を爆炎で染め上げ、その衝撃が雷陰を激しく揺さぶる。
ミサイルとはそもそも命中させるものではなく、空間的衝撃によっ
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