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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
闖入劇場
第百十三幕 「油断するものを敗者と呼ぶならば」
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すぐさま噴射加速し、ユウは上空に飛んだ雷陰に凄まじい加速で肉薄した。相手はスピードタイプである以上、常に攻め続けなければいけないからだ。

だが、ある意味では予想通りな事にその動きを雷陰は読んでいた。

「飛んで火にいる夏ミカン!そんな甘酸っぱい予測で行動するのは……迂闊だよ!!」

瞬間、雷陰の手に閃光のように灯った量子化の光を見たユウは目を見開いて歯噛みする。

「あれは……ラピッドスイッチだって!?ちっ、射撃武器か!!」
「量子化にあの動き……データ参照の限りでは、やっぱりドゥエンデではなく、IS……!」

ラピッドスイッチで握られたハンドガドリング砲から逃れるために武陵桃源のバリアを展開する。このバリアなら多少の射撃くらいは防ぐだけの出力が――と考えた瞬間、背筋にぞっとする悪寒が走った。
定石だと思って打った手を盲点でひっくり返される瞬間の、兄との戦いで何度も味わった感覚。

(――その行動さえ読まれているとしたら……まっ、ずいッ!!)

それはネガティブな予測に過ぎないような些細な可能性でしかなかった。それでも、第六感は勝つために無視することが出来ない大親友にして友人だ。何故なら、直感的な判断とはそれまでの経験則に裏打ちされた高度な未来予測システムだから。
正しいのかもしれないし、間違っているのかもしれない。
それでも自分の勘を信頼したユウは、反射的に噴射加速を解除してPICを切断した。突如加速を失ったことによる空気抵抗をアクロバティックな動きで利用し、AMBACを使いながら無理やり直線状から逸れる。

直後、ガドリングが火を噴いて覇気ほどまでユウのいた空間を次々に通り過ぎてゆき――ズドドドドドドッ!!という轟音を立てて地表が爆炎を上げて爆ぜた。
ユウの勘は当たっていた。爆発の威力からして明らかに合金弾の類ではなくグレネード級の爆発に、ユウは第六感の判断が正しかった事を確信すると同時に戦慄した。こんな危険な武器が実用化されているなど、聞いたことがない。
あのタイミングで避けられるとは思っていなかったのか、くノ一は射撃を避けたユウに口笛を吹いて称賛した。

「ヒュウ♪よく直前で回避したねぇ?瞬時加速中にそんな方法で回避するなんて芸達者〜!」
「敵に褒められてもあまりうれしくないんだけどねッ!!」

簪はとっくに射線から逸れていたからよいものの、もしアレをバリアで防ごうなどと考えていれば、山田先生と戦った一夏たちのようにボール感覚であっさり吹き飛ばされてしまっていただろう。バリアで破壊そのものは防げても、爆発の衝撃を殺すことは難しい。
ガドリング並みの連射速度で、一発一発がグレネード並みの破壊力。
非常にシンプルで、だからこそ攻略が難しい。

「グレネードガドリング……いや、ミ
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