暁 〜小説投稿サイト〜
骨斧式・コラボ達と、幕間達の放置場所
番外『有り得ぬ世界』
交節・ぶつかりし狂気は紅(あか)と青
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も人を大量に惨殺した相手を想像し、嬉しいと言う気持ちを隠さず口にする言葉(もの)ではない。

 やはり彼もまた、何処かおかしい。

 戦を生業とする者なのか、だからこそその人物を追い求めるのだろうか。


 プレイヤーの姿も見えぬこのフィールドを、右も左も無く適当に進んで行く内、アオは開けた場所に出た。
 ここは一度限りのイベントボスが現れていた場所であり、何も起きない今となっては、モンスターがPOPしない事も相まって、疲れた者達の良い休憩場所と化している。


 中央には壊れたままの小さな遺跡があり、そこからモンスターが飛び出してきて戦闘となったらしいが、最早それは過去の事。感慨深さも荘厳さも、緊張感も何も無い。
 言うまでも無く、元々アオにも関係の無い場所だ。

 その筈だが……彼は何故か立ち止まり、その場から動こうとしない。


 彼の目線が向く先には、遺跡の破片に腰掛ける、一人の小柄なプレイヤーがいた。


「〜♪ 〜〜?」


 鼻歌を歌うそのプレイヤーは、目深に被った青字に赤いラインの入るフーデッドケープ、そして低い身長により遠目からでは性別が男か女かも分からないが、唯一ハッキリ解る事と言えばカーソルがグリーンだということそれぐらい。

 後ろ向きなので、《策敵》スキルを展開していれば話は別だが、まずアオには気が付いていないと窺える。

 即ち折角目を向けたのに、オレンジカーソルを浮かべたプレイヤーを探しているアオには、それこそ怪しくはあるものの関係の無い人物だったのだ。

 武器は恐らく腰に下げた短剣。NPC武具店では売っていない代物なので、プレイヤーメイドかモンスタードロップなのだろう。


 単に豪胆なだけのプレイヤーだったかと、アオは大いに落胆して肩を落とし、その場から背を向けて去っていく。




「もう帰られるのですか? 今宵は月明かりがとても綺麗だというのに、勿体ない事をする方です」
「!」


 ……去っていこうとした。
 だが、背を向けたその時を狙い澄ましたが如く、向こうから声を掛けられたのだ。

 男には出せない高い声から、腰掛けていたプレイヤーは女性、若しくは少女だと分かる。


「よく気が付いたな、俺に」
「気配が漏れていましたし、それにスキルもありますからねぇ……あぁ、それよりも」


 アオから振った話を言う事はもう無いのか早々に切り上げて、少女と思わしきプレイヤー、しかし話しぶりが合わない彼女は、ピタリと動きを止めてゆっくり上を向いてから、そして元に戻して僅かに顔を後ろへ傾けた。


「帰られるなど勿体ない。本当に綺麗なのですよ?」
「俺にそんな趣味は無い」
「おや、そうでしたか……こんな瓦礫の散らばる辺
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