第4章 戦争と平和
第38話 水の星へ愛をこめて
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「ふん、こんなものか」
今俺は校庭で暴れている。囮……のはずが、このまま敵を殲滅しそうな勢いだ。
魔王に天使長に総督。そうそうたるメンバーに襲撃をかけること自体無謀だといえる。
今回の襲撃は旧魔王派によるものだが、身の程を知らないにもほどがある。
いや、だからこそ内訌で破れたのだろう。
禍の団と内応している俺としては、襲撃犯と敵対していいのか。
事前に襲撃を知らされていたので、曹操に尋ねたところ気兼ねなく戦っても構わないとのことだった。
理由を尋ねると、今回の襲撃は旧魔王派によるものであり、人間の魔法使いも旧魔王派の手駒にすぎないから、らしい。
一枚岩ではないのだな。まあ、俺は強者と戦えればそれでいい。アザゼルの下では他の神話世界に喧嘩を売れないだろう。まずは、アース神族からだ。
「禁手化するまでもなかったな。つまらん。歯ごたえのない奴らばかりだ。――ならば、無理やり強敵と戦うまでのこと」
『ヴァーリ、油断するなよ』
あの八神はやてが自ら鍛えたというのだ。油断などできるわけがない。
アルビオンの忠告に苦笑しながら、俺は、校庭へと援軍にやってきた赤龍帝に向かって、魔力弾を放った。
◆
「ギャスパー、無事だったのね!」
リアス・グレモリーは、キャスリングによって旧校舎に乗り込み、ギャスパーの救出に成功していた。
アザゼルに渡された神器を抑える腕輪をはめたことで、時間停止結界も解除された。
「部長、付近の掃討が終わりました」
そういって扉から入ってきたのは、赤龍帝、兵藤一誠だった。
ギャスパーの確保をリアスに任せると、安全の確保のため敵を次々と撃破していったのだった。
そのさまは圧倒的で、リアスを安堵させた。
(本当に頼もしくなったわね)
惚れた男のかっこいい姿に、改めて惚れ直すリアス。初めてあったときのエロいだけで何のとりえもない一般人だった面影はない。
校庭ではいまだテロリストと兄サーゼクスたちが戦っている。自分たちも参戦しようと旧校舎からでたところで――
「きゃあっ!」
突然一誠に抱えられて驚く。しかし、すぐに現状を把握した。
いきなり攻撃を受けたのだ。その敵は――味方だったはずの白龍皇ヴァーリだった。
一誠によって直撃は避けられたが衝撃によって意識が遠くなるのを感じる。
「部長!!」
最後に聞こえたのは、必死な形相を浮かべた、愛する男の姿だった。
◆
攻めてきた魔法使いだけではなく、護衛に来たのであろう天使、堕天使や悪魔が大勢躯を晒していた。 血塗ら
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