彼と彼女は走り続ける
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その瞬間、中央の発射口からは夥しい量の魔力が放出される。それを3本のバレルが制御を行い目標に向かって真っ直ぐに進む一本の線にする。だが、勿論のことこれだけの魔力の放出を行うと反動はとてつもないものになる。それを少しでも軽減させるために後ろに向かって魔力も放出している。
俺の放った砲撃はグールスの結界によって阻まれるが、魔力の放出は終わらない。
「放熱限界まで残り3秒」
フォルネウスが警告を発する。
「2秒」
魔力を込める。砲撃が一回り大きくなる。
「1秒」
展開されていた結界に亀裂が入る。
「0」
カウントがゼロになった瞬間、亀裂から結界が崩壊する。
グールスに砲撃が直撃し、吹き飛んだあと爆発が起きる。
放熱限界に達したバレルはパージされ中央部からも排熱がされる。
「はぁ……はぁ……はぁ」
俺はその場にペタんと座り込んでしまった。かなりの魔力放出をしたため、体に力が入らない。右腕も先ほどの砲撃で少し痺れている。今の状態でグールスに起き上がられると俺は結構やばい。
「マスター!」
フォルネウスの声でグールスの吹き飛んでいった方を見た。
爆発による煙は晴れ、どんな状態なのか一目で見て取れた。
砲撃の直撃により左胸部に大きな傷があり、左腕は辛うじて繋がっている状態だ。民家に激突したせいか右脇腹を鉄骨が貫いていた。
そんな状態でもグールスは立ち上がっていた。体中に張り巡らせられた赤い模様は先程よりも赤く光っている。どうやらロストロギアによって無理やり体を動かされているらしい。
「ウゥアァァァァ……」
グールスも先ほどの砲撃の直撃で確かにダメージを受けているはずだ。だが、それを振り切るように彼は立ち上がった。紅い眼差しは俺をはっきりと見ていた。
「マスター! 早く回避運動を! 敵が砲撃体制に移っています!」
フォルネウスがすぐさま俺に逃げるよう促すが、正直言ってこの状態じゃ気休め程度に防御魔法を貼るぐらいしかできない。
グールスの右腕が俺に向かって伸ばされる。魔法陣が展開される。どうやら、魔力が少々不足しているらしくすぐに砲撃が放たれることは無かった。
「マスター! 早く!」
「アーッッッッ!」
光が集まっていく。今まさに目の前の敵を討ち取らんとグールスが雄叫びを上げた瞬間だった。
「っ!?」
一瞬ではっきりとわからなかったがグールスに光のような物が直撃した。慌てて飛んできた方を見上げた。
「こちら時空管理局だ。そこの魔導師大丈夫かって……羽武谷?!」
そこには白銀のバリアジャケットを纏った聖の姿があった。どうや
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