彼と彼女は走り続ける
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らわせるしかないか。フォルネウス、ライトアームモードリリース。モード3オープン」
右手に持っていた銃は形を変える。それは腕全体を覆うように展開された。中央にあるシリンダー状の円い発射口を覆うように3つのバレルが伸びている。大きさが大きさなので3つの銃身に目が行きがちだが一番の特徴といえば12発入カートリッジマガジンが3ケース装填されているところだ。
「フルロードでの発射は一発でバレルがオーバーヒートします」
「わかってる!」
左手に持つ銃のマガジンを交換する。
「アーッッ!」
グールスは砲撃を放つ。俺はそれを回避しながら接近を試みるが中々それを許してくれない。
「カートリッジロード」
3発のカートリッジがロードされる。生成する魔力弾は10発。それをグールスに向かって発射する。
グールスは結界で防御するものと思っていたが、両手で剣を構えるような体制をとる。グールスの手には魔力で作られた人振りの巨大な剣斧が握られた。
一閃。
たったの一度で全ての魔力弾が切り伏せられる。
だが、打ち込める距離まで後もう少し。魔力弾を撃ち続ける。
「マガジン残り僅かです」
魔力弾をばら撒きながら接近する。残り30メートル。
ここまで至近距離から撃ち込んでいるというのにグールスは剣斧一本で全てを打ち落としていた。
「ロード開始!」
カートリッジマガジン3つの一斉ロードが始まる。
残り僅か10メートル。
剣斧では打ち落とせないと思ったのかグールスはこちらに向かって走り出す。
魔力弾が直撃するがグールスの動きは止まらない。
「アーッッッッッッッッッ!!」
グールスは剣斧を振り上げる。大振りなそれは避けるには簡単すぎた。
右に体を移動させながら剣斧を避ける。かなりの力で振るわれたそれは地面に食い込む。だが、ただ食い込んだだけである。左手で保持していた銃を手放す。俺は左手にブースト魔法をかけた。
ブースト魔法とは一時的に魔力を一定箇所に流し続ける事による身体強化のことだ。
ブーストがかかった腕には通常の何倍もの力が付与される。俺は左手で地面に食い込んだ剣斧を押さえ込む。グールスはそれを引き抜こうとする。恐らく俺が押さえ込んでいようと引き抜く事はできよう。だが、俺にはその引き抜く間の時間が欲しかった。
右手をグールスに突き出す。3本のバレルが展開され、ロードが終わった空のマガジンが排出される。
恐らく、この状況でも防御結界の効果は有効。結界を突破しなければ今度は俺がやられる。
「ファイア」
フォルネウスの機械的な音声が耳に届いた。
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