7部分:第七章
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月が山の端に隠れた頃に何やら後ろから物音がしてきた。
「来たか」
彼はゆうるりと後ろを振り向いた。そこでは畳が上がっては落ち、上がっては落ちを繰り返していた。
それと共に埃が舞う。それは彼のところにも飛んで来た。
「今宵はこれか」
彼は台所へ行った。そして酒をまた持って来た。幸い今日は台所には何も出ず楽に取り出すことが出来た。そして埃の届かないところに移りそれを見ながら酒を飲んだ。
「月もよいがこれもまたよいのう」
笑いながら酒を飲む。見れば月を見ていた時より酒が進んでいる。
暫く経つとそれも止んだ。彼は寝室に戻り壁にもたれかかって休んだ。
九日は居間にいた。酒は昨日かなり飲んだので今日は飲まないことにした。
「飲み過ぎは身体に毒じゃ」
父からも弟からもそう注意される。確かに彼の酒量はかなり多かった。
「大酒も豪傑の証じゃ」
そうは言うもののやはり身体に良くないのは事実であった。あまり過ぎると確かに身体に疲れがたまってくる。
この日は飲みもせず書を読んでいた。論語ではなく孟子であった。
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