第12話
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ほらほらどうした春蘭、防戦一方か!?」
「クッ……おのれぇ!」
猪々子が春蘭を追い込んでいた。
「ぬぉりゃぁぁぁ!」
「グッ!?」
(いちいち止めの刃が弾かれてしまう、反撃が間に合わない!)
私塾に居た頃の猪々子は、大剣に『振り回されていた』が今はしっかりと『振り回している』あの頃とは雲泥の差だろう。
「――だぁっ埒が明かないな春蘭!堅すぎだっての!!」
「当たり前だ!――って誰が岩女だ!!」
「そんなこと言ってないだろ!?……こうなったら必殺技でけりをつけてやるぜ!」
「ひ、必殺技だとぉっ!?」
まだこの上があるのか―――と戦慄しながら猪々子を観察すると彼女は大剣を肩に担ぐようにして構えた。
「いっくぜぇ『大刀一閃』!!」
「ぬわぁっ!?」
そして一呼吸溜めてから繰り出された一撃は今までのよりも鋭く速いのだ。たまらず春蘭は防ぎにいったが腕ごと弾き飛ばされてしまう。
「クッ、なんて衝撃だ……」
「――アタイの勝ちだな春蘭」
「何を言っている、まだまだ私は……ってあああああ!?」
勝利を宣言した猪々子に対してすぐに構え直そうとしたが武器に違和感があった。
「わ、私の剣がっ!?」
何と夏侯惇の剣は刃が綺麗に斬られ紛失していた。
「――勝者北方、袁将軍『文醜』!」
『うおおおおおおお!!』
「……〜〜っっいっよっしゃぁぁっっっ!!」
思わず叫ぶ猪々子、春蘭に勝つことは彼女の目標だったのでその喜びは計り知れない。
「くぅ……負けた」
春蘭は力なくうな垂れていたがすぐに立ち上がる。
「ずるいぞ猪々子!武器破壊を目的とした必殺技なんて!!」
「あれは武器破壊じゃなくて『武器ごと相手を斬る』技だよ、大会だから武器だけ斬ったけどな!」
実戦だったら真っ二つだぜぇ?とニヤリ笑いながら言葉にする猪々子
「ぬぅぅぅ、もう一度!もう一度勝負だ!!」
「っても武器が駄目になってんじゃ〜ん」
「ええい猪々子!武器なんか捨てて素手でかかって来い!!」
「なんかその台詞に嫌な予感がするからおっことわり〜」
「あっ!?待てい!」
激しい試合の後にもかかわらず二人は追いかけっこを始めてしまった。
………
……
…
「よくやったわ猪々子!よくその猪女を負かしたわね!!」
「け、桂花?夏侯惇とは面識があるのか?」
「い、いえ、でもなんか癪に障ると言うか相性が悪いというか、何か気にいらないんです!!」
「そ、そうか……」
面識のないはずの夏侯惇に敵意をだす桂花に軽く引くと、「誰が猪だーーっ!?」と聞こえてきた。
「決勝は、……少しきついです
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