第12話
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ばらく慌てていた(しきりに袁紹を見ながら)彼女だが、気を取り直して進行させる。
「では第一回戦南方、董卓軍所属『華雄』!」
「華雄か……」
「優勝候補の一角ですね」
南方から歩いてくる華雄に目を向ける。髪は短く華奢な体つき、顔は端正で男装が似合いそうだ。
そして手に持つ戦斧はかなり使い込まれている、猛将の噂に偽りはないだろう。
「北方、無所属『呂奉先』!」
「何だと!?」
「れ、麗覇様?」
斗詩の口から出てきた名を聞いて思わず袁紹は立ち上がる、彼が知っている呂奉先は一人しかいなかった。
(てっきり丁原あたりが抱えていると思っていたが在野だったとは……これで本物ならどうするか)
天下無双の武力を持ちながらも欲望のために二度主君を殺め、最後には曹操に処刑された史実
(本物だとしても我に御する事が出来るか?いや、史実通りの人物かはまだわからぬか……さて)
そして北方から出てきた呂布らしき少女に目を向ける。
燃えているような赤髪、顔は端正だがどこか眠そうなたれ目、体は豊満で女性らしい魅力があるが非常に引き締まっている。一見可愛らしい少女だが纏う圧力が尋常ではない、相対している華雄が余裕そうにしているが彼女は鈍いのかもしれない。
「お前はあの時の娘ではないか、一回戦で私とあたるとは運がないな」
「……」
言って戦斧を構える華雄、しかし呂布は構えない。
「あの、呂布さん?構えは――」
「……いい」
「フンッ、勝負を捨てたか」
構えない呂布に対してつまらなそうに声を上げる華雄、仕方なく斗詩は開始の合図を出した。
「では――始め!」
「おおおおっっ!!」
開始と同時に呂布に接近し戦斧を横なぎに振るう華雄しかし――
「……遅い」
それを後方に下がり間合いから逃れる呂布、その動きには大分余裕が感じられる。
「なにっ!?」
今の一撃で決めるつもりだったのか華雄は目を見開く
「……終わり?」
「っ!?なめるなぁぁぁっっ!!」
叫びながら猛攻をしかける華雄、しかし最初と同じように避けられ続ける。
良く見ると呂布の体勢は変わっていない、足捌きだけで避け続けている。
「ハァハァ……クッ、ちょこまかと!」
華雄は一旦距離をとり肩で息をしている。対する呂布は涼しい顔だ
「当たりさえすれば――「無駄」!?」
華雄の言葉を遮った彼女は、試す?とでも言いたそうに一歩近づき立ち止まった。
「っ!?、貴様!」
その態度に憤慨し華雄は彼女を睨みつける、視線だけで人を殺せたら呂布は死んでいたであろう。
「……いいだろう、その思い上がり私の戦斧で断ち切ってくれる!」
呂布の挑発
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