ドライブ&鎧武 Movie大戦フルスロットル
高司舞を救うことが何を意味するのか?
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
浮き、縛られた手からブドウ龍砲が落ちた。
碧沙はとっさに落ちたブドウ龍砲を拾い、ポットに向けた。
龍玄が拘束された今、このトリガーを引けるのは碧沙しかいないと思ったからだ。
『ダメだ、碧沙!!』
びくっ、とトリガーにかけていた指が手ごと震えた。
『その銃の反動はアーマードライダーじゃなきゃ受け止めきれない! 兄さんが言ったろ! 自分を粗末にするなって!』
「で、も…でも、わたしっ…これくらい、しか…!」
舞と紘汰に運命の重さを押しつけた。発端は碧沙なのに、碧沙は何の罰も受けずに今日まで生きてきた。生きてきてしまった。
『それでもダメだ』
「光、兄さん?」
『大丈夫。信じて。僕はお兄ちゃんだから』
ぎりぎりでふり返った龍玄は――光実は、笑っているように、見えた。
龍玄のブドウの鎧が弾け飛んだ。
締め上げていた鎧がロストしたことで、ケーブルから一瞬だけ龍玄は解放された。碧沙の手の中のブドウ龍砲も粒子化した。
緑のライドウェアだけになった龍玄は、前転してケーブルの束を抜け出し、再びブドウの錠前を戦極ドライバーにセットする。
(変身の中間解除! これで光兄さんは逃げ出せて、武器も光兄さんの手に戻る。そうなれば)
換装を完了した龍玄がブドウ龍砲を構えた。すでにエネルギーチャージは終わっている。
『いっけえええええ!!』
ブドウ龍砲から放たれる、龍の息吹。
それはポットだけを的確に破壊した。
割れたポットから、白いドレスの舞が落ちてきた。
龍玄が走り、舞が地面にぶつかる前に舞を受け止めた。そこで光実が変身を解いた。
「兄さん! 高司さん!」
碧沙は沈黙したケーブルの束を踏み越えて走り、光実たちの近くにしゃがみ込んだ。
舞がうっすらと目を開け、光実と碧沙を順に見た。
「ミッチ……ヘキサちゃん……」
「高司さんっ」
舞は、微笑んだ。
「やっと高司さんを救えた――」
「うん。やっと、だね」
光実が碧沙の、一本線の傷のある掌を握ってくれた。碧沙は光実の手を握り返した。
――遠い日の知らずの罪を雪げたかは分からない。それでも、やっと、あの日から停まっていた何かが、碧沙の中で息を吹き返した。
「あ」
そこでようやく、光実と手を繋いでいたことに思い至った。
全身が沸騰するように熱くなった。
すぐにでも光実の手を振り解きたかったが、理性で羞恥心を押さえつけて堪えた。ここで離したら、次はいつ素直になれるか分からない。
「久しぶりだね。手、繋ぐの」
「光兄さんの手、熱い」
「さっきまで変身して戦ってたんだから、許してよ」
「貴兄さんの手と同じ感触がする」
「そ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ