暁 〜小説投稿サイト〜
劇場版・少年少女の戦極時代
ドライブ&鎧武 Movie大戦フルスロットル
高司舞を救うことが何を意味するのか?
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浮き、縛られた手からブドウ龍砲が落ちた。

 碧沙はとっさに落ちたブドウ龍砲を拾い、ポットに向けた。
 龍玄が拘束された今、このトリガーを引けるのは碧沙しかいないと思ったからだ。

『ダメだ、碧沙!!』

 びくっ、とトリガーにかけていた指が手ごと震えた。

『その銃の反動はアーマードライダーじゃなきゃ受け止めきれない! 兄さんが言ったろ! 自分を粗末にするなって!』
「で、も…でも、わたしっ…これくらい、しか…!」

 舞と紘汰に運命の重さを押しつけた。発端は碧沙なのに、碧沙は何の罰も受けずに今日まで生きてきた。生きてきてしまった。

『それでもダメだ』
「光、兄さん?」
『大丈夫。信じて。僕はお兄ちゃんだから』

 ぎりぎりでふり返った龍玄は――光実は、笑っているように、見えた。

 龍玄のブドウの鎧が弾け飛んだ。
 締め上げていた鎧がロストしたことで、ケーブルから一瞬だけ龍玄は解放された。碧沙の手の中のブドウ龍砲も粒子化した。

 緑のライドウェアだけになった龍玄は、前転してケーブルの束を抜け出し、再びブドウの錠前を戦極ドライバーにセットする。

(変身の中間解除! これで光兄さんは逃げ出せて、武器も光兄さんの手に戻る。そうなれば)

 換装を完了した龍玄がブドウ龍砲を構えた。すでにエネルギーチャージは終わっている。

『いっけえええええ!!』

 ブドウ龍砲から放たれる、龍の息吹。
 それはポットだけを的確に破壊した。

 割れたポットから、白いドレスの舞が落ちてきた。
 龍玄が走り、舞が地面にぶつかる前に舞を受け止めた。そこで光実が変身を解いた。

「兄さん! 高司さん!」

 碧沙は沈黙したケーブルの束を踏み越えて走り、光実たちの近くにしゃがみ込んだ。

 舞がうっすらと目を開け、光実と碧沙を順に見た。

「ミッチ……ヘキサちゃん……」
「高司さんっ」

 舞は、微笑んだ。

「やっと高司さんを救えた――」
「うん。やっと、だね」

 光実が碧沙の、一本線の傷のある掌を握ってくれた。碧沙は光実の手を握り返した。

 ――遠い日の知らずの罪を雪げたかは分からない。それでも、やっと、あの日から停まっていた何かが、碧沙の中で息を吹き返した。


「あ」

 そこでようやく、光実と手を繋いでいたことに思い至った。

 全身が沸騰するように熱くなった。

 すぐにでも光実の手を振り解きたかったが、理性で羞恥心を押さえつけて堪えた。ここで離したら、次はいつ素直になれるか分からない。

「久しぶりだね。手、繋ぐの」
「光兄さんの手、熱い」
「さっきまで変身して戦ってたんだから、許してよ」
「貴兄さんの手と同じ感触がする」
「そ
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