短編66「僕のキリン」
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3歳の息子が、朝、目を覚ましたら……
白いキリンが、お家にいた!
息子はさっそく名前をつけた。「シロキリン」と。今日から息子の友達だ。
「パパ、ミカン食べたいって言ってるよ!」
「はい、ミカン」
「ミカンだって、はいパクパク。キリン、美味しいって言ってるよ」
僕が、いらないカレンダーで作ったキリンに、息子は一生懸命に朝ご飯をあげていた。息子は、ご満悦の様子だ。しかし、ミカンをあげる為に首を持ったとたん、キリンの首が折れてしまった!息子は大慌てで……
「あっ!首が折れちゃった。ママどうしょう!?」
すると妻は……
「じゃあ、元気が出るように、ご飯をあげたら?」
と、アイデアを出した。
「ようし、わかった!じゃあこれあげる」
息子は、丸い積み木をキリンにあげた。
「ママ〜元気にならないよ〜」
息子はキリンの折れた首を持ちながら、妻に助けを求めた。
「じゃあ、丸いご飯じゃなくて、四角いご飯をあげてみたら?」
「ようし、わかった!」
息子は四角い物を探し、電車の模型をキリンをあげた。
「ママ〜まだキリン元気にならないよ〜」
キリンの首は横に折れたままだった。
「じゃあ三角のご飯あげたら首が治るかも」
「三角〜?」
息子は辺りをキョロキョロしているが、三角の形が見つからなかった。困っている所へママが助け船を出した。
「ほら、これは?」
ママはオモチャのトングを手渡した。開いたトングは三角ぽかった。息子はさっそく、キリンに食べさせた。
「ママ〜、ぜんぜん元気にならないよっ」
「じゃあ、病院に行ってみたら?」
「ようし、わかった!」
とうとう息子は、僕の所へ来た。
「キリンの首が折れたので見て下さい」
「じゃあ、動物病院の先生が見てみましょう」
病院の先生になった僕は、広告を丸め棒にして、キリンの首を補強をした。
「もう大丈夫、お大事に」
「ママ〜キリンもう大丈夫だって〜」
息子は、自分のキリンを大事そうに抱え……
また遊びはじめたのだった。
おしまい
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