短編60新昔話「瓶の声(かめのこえ)」
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もっと」
瓶はいまや溢れんばかりの、お金でいっぱいだった。入りきらないほどのお金を瓶に入れている時だった!
パリン、パリパリパリーン!
なんと!瓶が割れてしまった。すると、今まであった大判小判は、錆びた鉄くずになってしまったではないか。そして割れた瓶は、どんどんと粉々になり、最後には砂になってしまった。その時、男は声を張り上げた!
「うわー!」
壊れてなくなった瓶を見て、男は狂ったように大声を上げていた。すると男は、その大きくあけた口から、だんだんと「瓶」に変わっていってしまった。やがて、屋敷のどこからか火の手があがると、家はあっと言う間に炎に包まれ、跡形もなく燃えてしまった。
そして瓶になった男は、火事とともに……
「おーい」
誰かが瓶の声に気付くまで……
埋もれてしまったのだった。
おしまい
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