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SAO─戦士達の物語
GGO編
百十話 トリック
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に言う。どうでもいいが、少しは元気が出てきたようだ。

「初めからって……」
「あぁ……初めに話した時よ、依頼主が言ってたろ?初めに殺された二人……死体が見つかった時、両方とも部屋の電気は付いてた」
「あ、あぁ……」
「でもよ、それって明らかおかしいだろ」
リョウの問いに、何かに気が付いたようにキリトが声を上げた。

「え?あ、あぁ!そ、そうか……」
「だから男二人で納得しないでよ」
シノンの言葉に、リョウは苦笑してから話しだした。

「つまりだな……シノンお前、フルダイブしてる時、部屋の電気どうしてる?」
「そりゃ、消してるけど……」
「そりゃはなんでだ?」
「そんなの、電気代がもったいないし……」
シノンの言葉に我が意を得たりとばかりに、リョウがニヤリと笑う。

「そう言う事だ」
「え?」
「ゼクシードとたらこも、一人暮らしだった。普通一人暮らしの人間がフルダイブするとなったら、部屋の電気は消すだろ?そりゃそうさ、自分以外に部屋を使ってる奴が居ねぇのは分かりきってんだし、フルダイブ中は主観的に見りゃ自分は部屋に居ねぇのと同じだ」
鼻で笑いつつ、リョウは続ける。

「それに二人はヘビーユーザーだった。一度ダイブすると何時間も落ちねぇのは自分が一番よく知ってる筈だし、いくらこの世界で稼いでも、ひと月に稼げる額なんざたかが知れてる。無駄遣いは控えてぇ筈だ」
「そっか……そんな二人が電気を付けっぱなしでダイブする可能性はかなり低い……」
シノンが呟く。頷いて、リョウは続ける。

「そう言う事だ。なら、なんで電気は付けっぱなしだった?」
「それは……」
「部屋に……他に誰かが居たから……?」
シノンの言葉を引き継ぐように、アイリが言った。リョウはニヤリと笑うと、返す。

「可能性は高いな。んで、そうするとさっきの俺とキリトの話しの意味も分かってくるんじゃねぇか?」
「え……」
アイリとシノンが唖然としたようにリョウを見る。そこに、キリトが告げた。

「つまり……初めから俺達は常識の範疇で考えて良かったんだよ。VRMMOで人を拳銃で撃ったからと言って、現実世界の人間が死ぬなんてありえない。その通りだったんだ。本当の殺人者は、現実で殺人を犯したんだ」
「それって……」
アイリとシノン。二人がついに察したように、目を見開いた。リョウが続ける。

「死銃は一人じゃねぇんだよ。こっちでアバターを撃つ役と、現実でそれを操ってるプレイヤーを殺す役。少なくとも二人以上が、死銃として存在してるっつー寸法だ……多分両方ともラフコフの元メンバーだな」
「そ、そんな……」
アイリが茫然としたように、口元を押さえる。そのまま震えた声で言った。

「でも、だ、だって現実の住所は……?」
「さっき言ったろ
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