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ソードアート・オンライン 瑠璃色を持つ者たち
第三話 初の攻略会議
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さっきの発言、びっくりしたよ。リュウヤが……その、あんなこと思ってるなんて」

キリトは自分から言いだした話題のくせに、口にしたことを後悔した。
あの発言から考えてみれば、リュウヤは元テスターを嫌っているように聞こえる。
なら、キリトが元テスターだということを知っているリュウヤの心境やいかにーーー

「ん?ああ、あれか。なに、気にすんな。別にお前らテスターのことなんざこれっぽっちも恨んじゃいねえよ。羨ましいとは思うがな」

やけにあっさりと心境を吐露してくれたことに、キリトはまた驚く。それを見てリュウヤは小さく苦笑した。

「別に、あれはあのキバオウとかいうやつの、本心が丸見えの演説に嫌気がさしたから言ったまでだぜ?ま、俺たちトッププレイヤーって呼ばれる部類に入るやつらは、みんなテスターと同罪だってのは、俺の本心ではあるが」

「キバオウの、本心……?」

補足のように付け足した最後のリュウヤの本音より、正直キバオウの本心とやらの方に興味が勝った。

リュウヤはヘドが出ると言いたげにこっそりと教えてくれた。

「あいつは、俺と同じで、単にテスターが羨ましいだけだ。嫉妬だよ嫉妬。元テスターがビギナーを見捨てたっつう怒りも本心だろうが、そんなの一、二割くらいのもんだよ。八割方、元テスターが溜め込んだ自分の知らないアイテムを欲しがってるだけさ」

ケッ、と嫌味たらしく言うリュウヤに、キリトはおかしくて笑ってしまう。

それが本当なのかどうかは本人に聞かないと永遠に分からないが、そんなことはどうでもいい。ただ、キバオウが本心を隠して元テスターを糾弾することに腹を立てたリュウヤは、いい奴なんだな、と再確認したのだ。

「なんで笑ってんだよ」

「内緒だ」

ハハハ、とキリトは笑いながら、その日リュウヤと別れたのだった。










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