第三話 初の攻略会議
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と、野太い声が響き渡った。
「ちょお待ってくれんか、ナイトはん!」
声とともに、中央へと降り立ったのはそこそこガタイの良い、サボテン頭のプレイヤーだ。
「ワイはキバオウゆうもんや。そん前に、これだけは言わせてもらわんと仲良しごっこはできへんねや」
先ほどから漂っていた弛緩した空気は、ディアベルのボス部屋発見の宣言とは違う固まり方をキリトは自覚した。
「なにかな、キバオウさん」
「こん中に、今までに死んでった二千人に詫びぃ入れやなあかんやつがおるはずや」
「詫び、かい?それは誰のことかな?」
「決まっとるがな!こんクソゲーの開始そうそうに右も左もわからんビギナーたちを見捨てて、自分の利益のみに走ってった、ベータ上がりどものことや!」
冷静なディアベルとは正反対に、自らの激情を吐露するかのように吠えるキバオウは、続けてテスターたちへの怒りを見せつける。
「ジブンらだけがポンポン強うなってって、旨いクエストや狩場を独占し、強くなっただけで他の奴らは知らんぷりや。そいつらに土下座させて、身ぐるみ全部出して謝らん限り、ワイはジブンの命預けれんし、預かれん!」
キリトはその発言に、ぐっ、と息を飲み込む。
もし自分がテスターだとばれたらーーーという自己保身もある。しかし、それだけではない。
以前、アルゴに頼んでもらった件に関してだ。
ズバリ、元テスターの被害状況。
ベータテスター全員が、こぞってこの正式サービスへと移行したわけではないはずなので、おおよそとして八百人という予想をつけ、その中の死亡者数を確認するべく、アルゴに調査を依頼した。
当然、調査は難航したはずなのだが、彼女はたったの三日でキリトの欲しい情報を持ってきた。
元テスターの死亡者数ーーーおよそ三百人。
今までに死んでいった二千人から計算すると、実に四十パーセントの確率で、元テスターが死んでいるということになる。
それを知らずにーーーと知らずのうちにキリトは小さく拳を握っていた。
この場の全員が、この先会議がどうなるのかと俯瞰していたが、その状況は突如として打ち破られる。
「アハッ、アッハッハッハッハッハッ!!……くくくっ、ちょ、笑わせんなってーーーアハハッ!!」
大きな、およそ無遠慮といっても過言ではない笑い声が周囲に響き渡る。
その発生源は、端の方にいた茶系のフードケープを身につけた、腹を抱えている男のプレイヤーだった。
一同が、キバオウですら呆然としている中、彼はしばらく笑い続けていた。
しかし、少し遅れて我に帰ったキバオウが、場の雰囲気にそぐわない笑い声をあげる謎の男を怒鳴りつけた。
「な、なにがおかしいんやっ!!」
笑い続けていた男はようやく笑い声
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