第三話 初の攻略会議
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りあえず、それは置いといて、攻略会議だな)
ふぅ、と一旦息を吐いてから、キリトはその足を広場へと向けた。
キリトが広場に着くと、すでにそこそこの人数が集まってきていた。
ーーー四十五人、か。
この広場にいる、攻略に参加するであろうプレイヤーたちの総数である。アルゴも少し離れた位置に佇んでいたが、彼女は情報屋だ。戦闘に加わるはずがない。
男女比は、言わずもがなだろう。
圧倒的に男の比率の高いこのゲームで、最前線にいる戦闘職の女性プレイヤーなんて皆無に等しい。
フードを被ったプレイヤーが一人……いや、二人いるが、どちらも男だろうと推測するキリト。もうすぐ会議が始まるということで、近くに腰を下ろした。
そして、おもむろに広場の中央に登場したのは、青髪の、ゲーマーとは思えない爽やかイケメンプレイヤーだった。
最前線にいる証拠として、十数段ある階段をひとっ飛びで広場に着地した。筋力・敏捷力がともに高くないとできない芸当だ。
「じゃあ、そろそろ会議始めまーす!」
キリトの思考をよそに、イケメンプレイヤーはよく通る声で集まったプレイヤーたちに呼びかける。
「一応、自己紹介からさせてもらう。オレはディアベル。気持ち的に《騎士》やってます!」
ドン、と自身の胸を叩いて笑みを浮かべながら宣言するディアベル。
その発言に「ジョブシステムなんてねえよ!」などと軽い反応が返ってくる。
だが、次のディアベルの発言によって場の空気は一変する。
「昨日、オレたちのパーティが、ボス部屋を発見した」
どよっ、とこの場にいる全員がほぼ同じ反応を見せた。それもそうだ。ベータテスターであるキリトでさえ発見には至っていなかったというのに、彼はーーー彼らのパーティはもうすでに発見したというのだから、驚くのは無理もない。
「一ヶ月。そう一ヶ月だ。ここまで来るのに一ヶ月も時間がかかって……二千人もの犠牲者が出てしまった」
ディアベルはぐっ、と拳を胸の前で握りしめ顔をうつむかせている。
しかし、次には顔を上げ、拳を先ほどよりめい一杯握り込み、呼びかける。
「けど、ようやく見つかったんだ!次への道筋が!解放の希望が!そして、その希望をはじまりの街で待っているみんなに与えてあげるのは、オレたちの役目で、義務だ!そうだろう?みんな!」
一瞬の静寂。
そしてこの場にいるほぼ全てのプレイヤーが拍手や指笛を鳴らし、ディアベルの演説に賞賛を贈ると同時に、賛同の意を伝える。
かくいうキリトも小さく拍手しながら、顔には笑みがこぼれていた。
(いい雰囲気だな……)
こんな雰囲気にしてくれる指揮官がいるのはこれから先の攻略にも必須だろう、とこの先の未来を担う指揮官を想像している
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