撤退
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「いたぞ!!」
背後で一夏が叫んだ。
もちろん、その前を行く俺にも見えている
『福音』
シルバリオ・ゴスペル
暴走したISは超音速飛行を続けていた。
「一気に決める!!」
直後、一夏が零落白夜を発動。 エネルギー状の刃が展開された。
「なら、俺も!!」
トランザム状態の今なら、なんてことはない。
福音や第四世代の赤椿をも超えるスピードをこのサバーニャは持っているのだ。
「ビット展開!!」
ホルスターから14基のピストルビットが、さらに続けてホルスタービットが展開される。
俺はピストルビットを全てライフルビットに切り換えその内の一基にグリップとセンサーを装着する。
「ウオオォォォォォ!!!」
赤椿に乗った白式が福音へと突っ込んだ。
雄叫びを挙げながらの攻撃は、しかし、空振りに終わった。
福音が避けたのだ
「なにっ!?」
「カバーは任せろ!!」
展開していたライフルビットを操作し、福音を狙う。
13条のビームが福音に襲いかかった。
だが、さすが福音というべきか、その全てのビームを危なげながらも回避する様は敵ながら称賛を贈りたいものだ。
「だから、代わりに受け取ってくれよ」
狙うは背中。 特殊武装でもある大型スラスター。
13のビットが追い込んだ先へと照準を合わせていた俺はまんまと誘い込まれた福音を狙い撃つ。
一瞬、福音がこちらを向いた……ような気がした。
「もらったぁ!」
手元から射出された一条ビーム。
だがそれをも
福音は回避したのだった
「なっ!? あれ避けんのかよっ!?」
「まだまだぁ!」
トランザム状態で回避された攻撃。
驚くなと言う方が無理な話だ。
俺が驚愕している間に、一夏がもう一度零落白夜で斬りかかる。
だがそれも、不発に終わった。
(あれ、原作より強くねぇか?)
未だに先程の出来事が信じられない。
一夏達のはともかく、サバーニャでもダメ? 考えられない。
「……いってもしゃあねえか……」
ビットを周囲に集め、ホルスターをその周りに展開する。
その直後、福音が上昇、攻撃を開始した。
背中の特殊武装『銀の鐘』
36の砲口から射出された高密度のエネルギー弾が俺達に襲いかかる。
一夏は箒さんから離れ、それを回避。
俺もホルスタービットを展開してこれを防いだ。
全方位への攻撃が可能な広域射撃武器『銀の鐘』
俺やオルコットと同じくオールレンジ攻撃が可能な武装。
本当に厄介だ。
「一夏! 箒さん! 無事か!」
「なんとかな!」
「こっちも問題はない!」
一夏は
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