撤退
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
回避不可能なエネルギー弾は零落白夜で切り落としていた。
エネルギー無効化攻撃。流石である
「私が押さえる! 挟み込むぞ!」
先行したのは箒さんだった。
二基のビットを射出し、雨月と空裂れを手に福音を押さえにかかる。
福音はこれを迎撃しようと再び攻撃を行った。
「来ると思ってたよ!!」
ホルスタービットを箒さんの周りに展開させ、そのあとを追随させるようにしてビットを出す。
一夏と箒さんにそれぞれ7基ずつ展開し、俺は少し離れた場所でその様子を見ていた。
砲撃はこれで無効化。 あとは一夏が決めるだけ。
福音は尚も無駄な攻撃を続ける。
だが、その直後だった。
一夏が何かに気付き、攻撃を中断。
福音を押さえたいた箒さんの横を通りすぎ、銀の鐘のエネルギー弾を斬っていた。
まるで、何かを守るように
「何をしている一夏!!」
一夏の行動に気をとられ、福音を押さえきれなくなった箒さんが叫んだ。
「船がいるんだ」
「船?」
一夏の遥か下の海。
その海に一隻の船がいた。一夏はこれを守っていたようだ。
「密漁船だ。 海域は先生たちが封鎖したはずなのに……」
「犯罪者どもだろ!! そんなやつらのことはほっておい……」
「箒!!」
激情した箒さんに一夏が叫ぶ。
確かに犯罪者だ。 だが、それが一般人を見殺しにする理由にはならない。
一夏は優しい。 誰に対しても優しすぎるくらいに優しい。
物語の主人公、織斑一夏。
だがそれはもとの世界での話。
俺の友人はこういうやつだ。
それはこちらにいてから痛いほどに痛感している。
やがて、箒さんが二刀をその手から離した。
彼女も、舞い上がっていたのだろう。
念願の専用機に。 一夏と共に戦えることの喜びに。
震える箒さんに、それを見つめる一夏。
だからこそ、気付くのが遅れた。
「っ!? 箒!!」
福音が動いた。
射出されるエネルギー弾
動けない箒さんに、それを庇おうと盾になろうとする一夏。
零落白夜は消えている。 つまり、白式にシールドエネルギーはほとんど残っていない。
あの状態で喰らえば、大怪我だ。
「一夏ぁ!!」
トランザムの力もあり、俺は一夏の前に出た。
ホルスタービットを一夏と箒さんに全て展開する。
「GNフィールド展開!!」
残った防御手段。
すぐさま俺の周りを覆うように展開される緑の膜。
だがそれは、展開されることなく、露散した。
「なっ……」
トランザムの効果時間がっ……!!
赤い輝きを急速に失っていくサバーニャ。
もうコンデンサーにもGN粒子は残っていな
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ