暁 〜小説投稿サイト〜
劇場版・少年少女の戦極時代
ドライブ&鎧武 Movie大戦フルスロットル
呉島貴虎はいかにして再び戦う力を得るのか?
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 光実が碧沙を連れての逃亡先に選んだのは、元チーム鎧武のガレージだった。

 ガレージに着くなり、安心したのか光実は簡易ベッドに頽れ、そのまま気を失った。
 碧沙は苦心しつつも光実をちゃんと寝かせてから、長兄の貴虎に連絡した。そして、貴虎が来るのを待つ間に、光実に傷の消毒と包帯の処置をした。

 碧沙の連絡を受けて貴虎が来た。他にも城乃内、凰蓮、ザックがガレージに集まった。

 皆が、葛葉紘汰がメガヘクスに敗れる瞬間を目撃していた。


「ごめん、ヘキサちゃん。俺、肝心な時に駆けつけらんなくて……」

 碧沙は首を横に振った。さらさらと、色素の薄い長髪が揺れた。

 ――聞けば、城乃内は例の巨大な鋼鉄の花を調べに、黒影に変身して単身ロックビークルで向かったという。しかし、インベスとは異なる、胸にナンバープレートがある怪人に阻まれて、内部に潜入もできないままやむをえず退いたと。

 碧沙はタオルを濡らし直して絞り、もう一度、光実の額に載せた。傷が熱を持ったのだろう。光実は顔中に汗を掻いて苦しげだ。

(兄さんが起きてない時なら、できるのに)

 光実が意識のある状態だったなら、碧沙は一歩引いて貴虎たちに看病される光実を見ていただけだろう。

(大好きなままなのに。どこで曲がっちゃったんだろう)

 碧沙は俯いた。

「問題は、メガヘクスだ」
「まさかあの紘汰がやられちまうなんて」
「せっかく帰って来たかと思えば……そんなの、信じられるかよ!」
「城乃内さん……」
「あ……ごめん」

 光実の傷に響くことを案じて呼べば、城乃内はすぐ意を解してくれたようだった。

 ザックが壁を殴った。

「こんな時なのに、戒斗の奴は連絡つかねえし!」

 駆紋戒斗は海外を渡り歩いて生活している。今この時に、スマートホンの電波が入らない秘境にいてもおかしくない。――未だ沢芽市で留まっているメガヘクスの侵略を知らずにいても、おかしくないのだ。

「碧沙。室井君に連絡は」
「一応、した。返事は今のとこ、ないわ」

 元チームリトルスターマインのSNSにはすでにカキコミをした。長い間話していなかったから勇気が要ったが、電話もかけた。だが、咲はどちらにも反応していない。

「どうするの。ムッシュ・バナーヌは外国。あのmademoiselleも応答なし。この局面でまともに戦力に数えられるのは、ウチの坊やとあの子だけよ」
「けど、二人がかりなら何とかなるかも!」

 城乃内が立ち上がった。

「前の時だって、俺、ミッチと組んだから怪物を倒せたんだ。今度だってきっと、ミッチが、仲間が一緒なら」
「そう、でしょうか」

 つい口を突いて出た。城乃内が、貴虎が、凰蓮とザックが碧沙に注目
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