ドライブ&鎧武 Movie大戦フルスロットル
呉島貴虎はいかにして再び戦う力を得るのか?
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する。
「わたし、小学生の頃に、ドラゴンフルーツのエナジーロックシードで変身した人と、咲と駆紋さんが戦ったのを見たことがあるんです。その時、咲はピーチのエナジーロックシードで、駆紋さんはリンゴのロックシードでした。それでやっと勝てたんです。今の戦極さんはそのくらい、強くなってしまった」
「そんな――」
戦極凌馬でさえ勝ち目は薄いのに、それを造ったメガヘクスを倒すなど。次兄の強さ、次兄と城乃内のステータスを加味しても、希望はないように思われた。
(こうして冷たく計算できるようになったのは、わたしがオトナになっちゃったからでしょう…ね…)
突如として、もう忘れかけていた、あの甘ったるい香りが碧沙の鼻を突いた。
「…の…ら…」
「光実っ。大丈夫か。意識が戻ったのか」
貴虎が身を乗り出した。
碧沙も思わず光実の顔を覗き込んだ。
光実は痛みを堪えながらも起き上がろうとしている。貴虎がその光実を支えた。
「舞さんが、夢で伝えてくれた……舞さん、メガヘクスの侵略兵器の中で、捕まって……でも、まだ、希望はある…っ」
「高司さんが捕まってる?」
「…看板の、裏……ロックシード…っ」
碧沙は立ち上がり、「チーム鎧武」と書いた立て看板の裏を見た。
「あっ!」
そこには、たった一つだけ、ヘルヘイムの果実が生えていた。
貴虎とザックたちも来て、果実の存在に驚きを露わにした。
「貴虎兄さん、それは、兄さんのために舞さんが――くっ」
「無理すんなっ。お前、そこそこ怪我人なんだぞっ」
ザックが光実を支えた。
「城乃内。ベルトを貸してくれ」
「あ、はいっ」
城乃内は慌てたように量産型ドライバーを取り出し、貴虎に渡した。
貴虎は受け取った量産型ドライバーを装着した上で、果実をもぎ取った。
果実が生っていた蔓は、ここに留まることを良しとしないかのように、枯れて崩れ落ちた。
――ドライバー装着者がヘルヘイムの果実をもぎ取れば、果実はロックシードに変わる。
貴虎の手の中に現れたロックシードは、メロン。かつて貴虎が主武装にしていたロックシードだった。
(何て運命的なの)
「――無理を承知で頼む。城乃内。このベルトを私に貸してくれ」
ロックシードがあっても、ドライバーがなければアーマードライダーに変身はできない。この場でドライバーを持つのは光実と城乃内のみ。そして、戦士としての実力は、城乃内より貴虎のほうが高いことを、全員が知っていた。
「……ここでダメっつったら、俺が悪者みたいじゃん」
城乃内はありありと悔しさを、そしてそれを受け入れたゆえの、微かな笑みを浮かべた。
「いいよ。持ってって。んで、俺ら
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