捜索
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る。散々手荒く使ったのにまだまだ新品のように刀身が輝いている。
刃こぼれや傷の類など肉眼で確認するが目立ったものはなかった。
さすがは礼装と言うべきなのかそれともさすがはムーンセルと言うべきか、思ったより頑丈に作られているようだ。
その時、ふと疑問に思ったことがあった。
「なぁセイバー!お前の剣少し持たせてくれないか!?」
急になぜそんな事を聞く?と思うかもしれないがそれには理由があった。
と言っても、個人的なものでとてもどうでも良いことなのだが……。
俺の所から若干距離がある場所で大きな岩に持たれるようにして座るセイバーがこちらに顔を向けた。
しかし、ちゃんと聞こえてないのか反応がない。
「なぁ!その剣持たせてくれよ!」
ちゃんと聞こえるように手を添え、さっきより大きな声で呼びかける。
しかし、反応がない。
(どうしたんだ?)
そう思った俺は礼装を引っ込めて立ち上がり、セイバーの元へと近づく。
ここまで近づいても動かないとまるで糸の切れた人形のようだ。
俺はセイバーと同じ目線の高さにまで腰を低くした。
その時だった。
ブワッと前髪が大きく靡き始めたかと思ったら、体全体に大きな風が吹き抜けていった。
「…………」
俺は目を見開き、今起きてる事態にただただ動揺を隠せないでいた。
俺がセイバーに話しかけた時、ピクリとも動かなかった彼女の左手が剣を携え、俺の喉元へと突きつけたのだ。
「誰が警戒するなと言った………ここは戦場だ。全てを敵だと思え」
これも訓練かよ……と内心呟きながら鋭く光るその剣を見る。やっぱり大きさが違う分、重量感や迫力が俺の礼装とはまるで違う。
「で、この剣を持ちたいんだったか?」
セイバーが俺の喉元から剣を離し、それを地面に下ろす。離された後から妙に背中から嫌な汗が噴き出す。
今やっと体が今の危機的状況を察した感じだ。
「あ、ああ。でも、セイバーが嫌なら無理にはお願いしないけど……」
「別に構わない。好きに持つなり、振るなりしてみろ」
「……意外とあっさりしてるんだな」
すると、セイバーは腕を組んで気だるげにこう言った。
「今のお前には過ぎたる武器だ。まともに使うこともできん。オレから言わせてみれば扱えるものなら扱ってみろ」
なぜそう喧嘩腰なのか物凄く聞きたいのだが、とりあえず持たせてくれるのはありがたい。
「じゃあ……遠慮なく!」
俺がそう言いながら剣を持った時だった。
「ッ!?」
まず最初に違和感を感じたのはその重さだった。まるで鉛を大量に敷き詰めた袋を持たされてるかのように重い。
そして、次に違和感を感じたのはその形
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