捜索
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チャンスだ。
「うおぉぉぉぉ!!」
刀を構え、その無防備な背中に攻撃を仕掛ける。
「これで二度目だぞ。マスター」
「ッ!?」
それを聞いた瞬間、昨日の出来事を思い出した。昨日はセイバーの上へと馬乗りし、止めを刺そうとした瞬間に状況を一気に返されたことだ。あの時はセイバーがわざとあの流れにしたと言っていたがまさか今回もそういう流れなのか?
今の言葉から察するにそういう事が考えられる。俺はすぐさま攻撃を止め、セイバーから距離をとろうとした。その時だ。
「なんてな」
そう放たれた言葉は俺を動揺させるのに充分だった。そのわずかな油断もセイバーは見逃さない。
セイバーは ガンッ、と片足をストッパーのように使い、その足を軸に体を回転させこっちに向き始めた。
ヤバイ!
俺は咄嗟の防御態勢に入ろうとしたが、それ以上にセイバーの動きは素早かった。
剣を構えようとした瞬間には物凄い力で剣が飛ばされる。
「このっ!」
一旦距離を取ろうと後ろへと大きくジャンプする。しかし、一瞬だけ飛ばされた剣の方を見たのがいけなかった。
着地して前を見るとそこにはセイバーの姿はない。どこにいったんだ?とキョロキョロ辺りを見渡す。
すると、
「後ろを見ろ」
声のした方へと振り返るといつの間にかセイバーが腕を組んで立っていた。
相変わらずセイバーのスピードはデタラメだ。味方にとっては心強いことこの上ないけど、敵として視点を変えると厄介なことこの上ない。
「どうしたどうした、オレに勝つと言ってどれくらい時間が経ったァ?」
そう言いながらセイバーは俺の襟を掴み、足を蹴り上げた。俺の体は見事に宙に浮き上がり、意識する間も無く地面に叩きつけられた。
「くっ……」
体に伝わる痛みを感じながら、自分を見下ろすセイバーへと視線を向ける。
特に心配する素振りもなく、腕を組んで仁王立ちをする。その姿はまるでどこかの軍人のようだった。
「まったく……少しは手加減して欲しいよ……」
不満そうにそう述べると、セイバーは呆れたように答えた。
「何を言ってる。おもいっきり手加減したじゃないか?」
やはりまだセイバーに対抗するには早いか…。ちょっとした期待で戦ってはいたが現実は非常だということを一気に見せつけられた気分だった。
ここから少し休憩に入った。
俺は地面に尻もちをつき、ほてりきった体を冷ます。景色のせいもあってか体の温度が低くなっていくような気がした。
周りに広がるのは永遠と広がる群青色。ここが水の中と思わせるように気泡がたまに通り過ぎていくのを眺めながら疲れを癒す。
「………はぁ」
溜め息を吐き、視線を手元にある礼装へと向け
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