捜索
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室付近にいた。
まだこの付近も探していない。沈む気持ちを抑えながら、近くで立ち話をする生徒に声をかけた。
「なぁここでおかしな行動をしてる奴を見なかったか?ほんの些細なことでも良いから教えてくれ」
「ああ、それならその保健室の前で間桐がなんかやってたな」
「本当か!?」
「ん、ああ」
俺はその生徒に礼を告げ、保健室の前に何かおかしなものがないかを確認する。すると、保健室の窓の下の壁におかしな模様があった。
「これかセイバー?」
「ああ、そうだ」
さて、見つけたのは良いがこれからどうすれば良い。魔術に関しては俺はさっぱりだ。
「これからどうすれば良い?」
「なに、簡単だ。それに触れてみろ」
「……」
俺は言われるがままその模様に触れてみる。その瞬間、ガシャンとガラスが割れるような音が廊下に響き渡った。
そして、それと同時に模様は壁の中へと消えていく。
「これで良いのか?」
「ああ、これで一箇所は解けた。簡単だったろ?」
本当に簡単だった。本当にこれで良いのかと不安になるぐらいに。
「さて、次だ」
セイバーが涼しげに言う。
まだこんな作業があるのか……。かなりの重労働に精神的にも肉体的にも辛い俺。
溜め息が溢れる。
「ほら何してる。行くぞ」
いつの間にかセイバーが先に進んでいた。俺は重たい体を動かしながら後を追う。
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俺は何をしている。なんでこんなことをしている。教室内の机を一つずつ念入りに漁っているのだが、一体何の作業だ。
ああ……前世でこういう似たようなことをしたなぁ……。確か……なんだっけ?
「どこを見据えているのだマスター。早く探せ」
「おっと危ない危ない」
俺は今、2-Aの教室にいる。なぜここにいるのかと言うとこの教室内に慎二が入っていくのを見たという証言があったのだ。聞くからに怪しいので一応調べているのだが……。
「ちっとも見当たらないな」
溜め息混じりに俺はセイバーに声をかける。俺よりさらに後ろの席を調べているセイバーがふんと鼻を鳴らした。
「そんなホイホイと見つかるものでもないだろう。相手も見つかるつもりで置いてあるわけではないのだからな」
「まぁ、そうだよな」
俺は次の席へと移り、また探し始める。
まだここに来てからそんなに時間が経っておらず、調べる机の数はまだまだあった。
さすがの俺でもこの数を調べるのはなかなか辛い。例える砂浜に落ちたコインを一人で探すようなものだ。大げさかもしれないが、今の俺のメンタルではそのぐらいに気が遠くなった。
それから10分程度が経過した
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