機動戦士ガンダムSEED編
番外編 クルーゼ隊の三人のその後
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ザフトの宇宙戦艦ローラシア級ガモフ、その通路を一人の少年が移動していた。彼の向かう先は医務室、ドアを開け中へと入る。
「………」
少年の名はディアッカ・エルスマン、ザフトの士官学校にて優秀な成績を残し卒業した人物しか着れぬ赤服を纏う者の一人であり、またザフトのトップガンラウ・ル・クルーゼ率いるクルーゼ隊のメンバーである。そんな彼が医務室へやってきたのは仲間の見舞いの為だ。
「イザーク…」
彼の目線はベッドで眠る一人の男、イザーク・ジュールへと向かっていた。
「イザークは…目を覚ますんですか……?」
「わからんよ…何せこれだけの大怪我だ。本来ならば今すぐ本国で治療を受けた方が良い位なのだからな」
「そうっすか………」
ディアッカは主治医からの言葉を聞き、顔を曇らせた。
イザークの怪我はとても酷いものだった。運び込まれた時は右半身を中心にコックピットの小爆発によりその身を焼かれ、その爆発で飛び散った破片は体中に突き刺さり、特に顔は右半分に大きな傷跡が残る程だった。ちなみに彼の機体であるデュエルは爆発により修復が困難なレベルで操縦計に異常をきたし、現在全てを総取り替えを整備斑が急ピッチで行っていた。
イザークはディアッカと同じくザフトの赤服であり、クルーゼ隊のメンバーだ。
プラントの国力は地球連合側に比べ圧倒的に低い。だが、遺伝子調整をされて生まれてきた存在のコーディネイターは高い確率で能力値が高く生まれてくる傾向にある。その能力を生かし、核分裂を抑制するNJ(ニュートロンジャマー)を開発。これを地球に埋ち込むことで地球全土の国力を大幅に削り連合軍の攻撃手段を狭め、当時重要視されていなかったMSにて多大な被害を与え、戦局をザフト優勢の方向に持ちこんでいた。
だが戦局は思いもよらないところで変わるものだ。そして国力もNJにより縮まったとはいえ大きく差があることに変わりはない。だからこそザフトの兵士には高い能力が求められる。量で勝てぬならば質でということだ。
先にも説明した通り、赤服は優秀な成績を残し士官学校を卒業した者にしか着れぬ、いわば実力の証でありエリートの証だ。それ故に赤を着るザフトの兵士は個人差はあるが皆誇りや自負がある。イザークはプライドが人一倍高く、ディアッカもイザーク程ではないがやはり赤服を着る者だという誇りはあった。
だが、その誇りや自負を如く潰されるような事態が起こったのだ。
今より一週間前、クルーゼ隊は地球連合が中立国である筈のオーブのコロニー「ヘリオポリス」で新型の試作MSとそれらを運用する為の戦艦を開発しているとの情報を入手した。
彼らはヘリオポリスに侵入し、その新型MSの
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