14部分:第十四章
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かなり美味い。
肴には干し魚があった。鮒である。
彼は細かく切ったそれを口に入れながら飲んでいた。気持ちはかなり楽しい。
だが一つ不満があった。だがそれは気にしてもせんないことであった。
「他に共に飲む者がおればのう」
彼は飲みながらそう思わざるをえなかった。
「といっても誰もおらんし。権八殿を呼ぶにはちと時間が遅い」
もう夜もかなり更けていた。ここで障子の向こうから何やら声がしてきた。
「酒か」
「上等の酒があるのか」
声はとりあえずは人間のものである。だがその主が人間ではないことは平太郎にはよくわかっていた。
「おお、あるぞ」
平太郎はそれがわかっていながらあえて彼等に対してこう言った。
「飲みたいか」
そしてこう問うた。
「おお」
「勿論だ」
彼等は口々にこう答えた。
「では来い。ただしじゃ」
彼はここで注文を出した。
「肴を持って参れ。そして酒も足りなくなったら持って来い。そうすれば皆で飲もうぞ」
「よし!」
向こうでそれを了承する声がした。すると暫くして障子の向こうに異形の影達が姿を現わした。
「よし」
平太郎はそれを見てにい、と笑った。見ればそこから様々な化け物達が杯を手にやって来る。
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