第二話 必然の出会い
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けると同時に次の《リトルネペント》へと突進する。
さすがにいきなり何度もあれができるとは思っていないので、ここだという時にしかできないが、後に練習しようと心に決めて、背後の少年と《リトルネペント》殲滅戦へと剣を振り抜いた。
「………ハァ、ハァ……もう、終わりか?」
「あ、ああ……終わっ……た……」
バタン、と二人して仰向けに倒れる。疲れ切った体が休息を求めるように動こうとしない。
それと同時に、二つの曲が流れる。
「お、レベルアップ〜」
「あ、俺もだ……」
リュウヤは嬉しそうに、隣に寝転がる少年は疲れたように自らのレベルアップを喜んだ。
「そういや、あのヒョロ男は?」
「………途中で、ポリゴンが散る音が聞こえた」
つまりは、モンスターにやられHPを全損し、ナーヴギアの高圧電流で脳が焼かれーーー死んだのである。
「………そうか。残念だ」
また一つ散ってしまった命を悔やみつつ、リュウヤはパッ、と上体を起こす。
(さて、聞きたいことは山ほどあるんだが、今は答えてくれそうにねえしな……)
疲れ切った彼は表情を、ピクリとも動かさず、ただ木々に覆われた空を仰いでいる。
(しゃあねえ、要点だけ絞るか)
「なあ兄ちゃん、この《リトルネペントの胚珠》ってのは、なんかに使えんのか?」
訊くが、中々返事が返って来ずしゃがみこんでもう一度訊こうとしたが、その前に答えてくれた。
「村の奥の一軒屋に行けば、クエストが受けられる。それのキーアイテムが《リトルネペントの胚珠》で、渡せば《アニールブレード》って片手剣がもらえる」
「そうか、ありがとな。なら俺はこれで行くが、兄ちゃんはどうするよ」
「俺は……もう少し、ここにいるよ」
「あいよ。じゃあせいぜい死んでくれるなよ?助けた意味がねえしな」
アッハッハ、と笑いながらリュウヤはその場を立ち去る。
背後から「余計なお世話だ」と苦笑気味の発言をもらいながら、件の一軒屋へと向かう。
彼らが命をかけて、人の命すら奪えるほどの価値のある剣を受け取りに。
「それにしても、なんだったんだろうか……」
茶革のコートを着た少年ーーーキリトは《アニールブレード》手に、宿屋でぼやく。
青年ーーーコペルがじぶんをMPKしようとした時、どこからか助っ人に来てくれた彼。
長身で短髪。かなり年上みたく、高校生かそれ以上と思われるあの男性は、いったい何のために自分を助けてくれたのだろうか。
(それよりも、あの人の順応性ーーーいや、即応性か……あんなのチートにもほどがある……)
キリトが十日間もの期間、練習に練習を重ねてようやくものにしたソードスキルのブースト。それを、目の前で
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