第二話 必然の出会い
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していたプレイヤーの後もつけられる。
ノーリスクハイリターン。なんていい響きだ。
なんてバカげたことを頭に浮かべながら、彼らの戦闘を眺める。
茶革のコートを着たーーーあれは少年か。一瞬どっちか分からないくらい中性的な顔を持つ少年は淀みないステップで相手の攻撃を回避。隙を狙ってソードスキルを発動ーーー撃破。
(おいおい、一撃とかどんな技使ってんだ?)
レベル的にリュウヤと変わりはないであろう彼が一撃で敵を屠れた理由。
ーーーああ、弱点を見抜いているのか。
少しも考えずとも答えがすんなりと降りてくる。こんな時間にここで狩りができる時点でベータテスターだと予想していたが、これで確信へと至る。
「後で弱点聞いちゃ教えてくれんかなぁ」
ないであろう可能性を口にするくらい、彼が、いやもう一人、《リトルネペント》と奮闘する青年も羨ましかった。
事前に情報を得ている彼らベータテスターが心底羨ましい。情報収集に時間もかけず、ただひたすらに己の強化に邁進できる。
だから、自分も抽選に当たっていたら、なんて今更な感想を思い浮かべる。
茶革のコートを着た少年が何かを叫んだ。顔を見るに、恐らくはお目当てのドロップアイテムかなにかを手に入れたんだろう。
そろそろ青年の方も戦闘を終わらせそうだし、ここらで彼らに近づくか。
だが、一歩踏み出した右足は即座に引っ込めなければいけなくなった。
青年が相手をしていた実のついた《リトルネペント》が爆散した時の、青年と少年の表情。
少年は困惑に顔を歪ませ、青年は謝罪の意を込めた、罪悪感を感じさせる表情。
(あり?なんか……やばいか?)
そう思った瞬間、彼らの背後から湧き出るように《リトルネペント》が出現。目算だけでも、ゆうに10体を超えていた。
(あちゃ〜、もしかしてあの実つき倒したらまずかったのか?)
あのモンスターは、いわゆるトラップみたいなものなのだろうか。あいつを倒すことで、モンスターが急激にPOPする仕掛けでも施してあるのだろう。
しかし、それが分からなかった彼らではないはずだ。ベータテスターである彼らがそんな重大な情報を知らないはずがない。
それに、あの少年の表情。あれは確実に予想外の状況に陥った時のそれだ。
加えて、青年の罪悪感を漂わせる歪んだ笑み。
それらを鑑みるとーーー
(モンスターの総数は捌ききれないほどになるはず……つうことは、目的はMPKか)
思考の終着点にたどり着くと同時に、青年の姿がすう、と消えていくのを目視する。それがリュウヤに確信と次の行動を決めさせる一因となった。
(俺もここで終わりかーーー早かったな)
レベル上昇時に割り振った敏捷値補正により現実とはかけ離れたダ
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