第二話 必然の出会い
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そのプレイヤーが向かったのは森の中。確認したリュウヤの足が止まる。
木々が生い茂っていて隠れやすいので尾行にはもってこいなのだが、それはモンスターも同じ。
いきなり死角から襲われたらアウトだ。精神が揺さぶられ思った通りの実力が出せなくなる。
加えて夜間の戦闘だ。まだ馴れないこともあるが、夜目が聞き辛くなる。そんな現実的なものがこの世界で反映されてるのかはわからないが。
まあレベル的にも余裕はあるだろうし、そろそろ追いかけないと彼を見失ってしまう。
なんとかなるだろ、と思いつつ前を行くプレイヤーを追いかけるためにリュウヤも走り出した。
「で、結局これかい……」
やってしまったと言わんばかりにその言葉を口にするリュウヤ。
あのプレイヤーを尾行していたら、モンスターのPOPで行く手を阻まれてしまった。
敵の動きを知るために時間を割いたのもあるが、やはり馴れない夜間の戦闘は時間を食ってしまう。
「さっさと慣れとかねえとやべえな〜」
レベル上げを行うには昼夜問わずモンスターを狩る必要だってそのうち出てくる。慣れるのに、早ければ早いほどそれに越したことはない。
「つかどこいったんだよあいつ」
言いながら、キョロキョロと辺りを見回しながらポリゴンで生成された草地を踏み進む。
スキルは《片手剣》以外取っていないので頼りになるのは自分の目だけだ。
残り一つのスキルスロットを埋めていないのは保険でもある。もし、この層にスキルを会得できるクエストがあって、それが便利なものだった時のためだ。
それに加えて、もう少し考える時間が欲しかったのもある。
だが、一番の要因は「後でいいや」という楽観的なものだった。
しばらく歩いていると、視認できる範囲にモンスターが数匹いるのを見つけた。
さっ、と木陰に隠れ様子をうかがう。
さっきからPOPし続けている《リトルネペント》だ。だがリュウヤが見たものとは少し形状が異なっている。
方や蕾を膨らませ、方や花を咲かせている。何がどう違うのかは分からないが、とりあえずどちらもレアなモンスターなのだろう。
だから、リュウヤはここから立ち去ろうとした。
レアなモンスターということは、レベル差が激しい場合や、特殊攻撃、通常のモンスターでは使うことのない技を使ってくることがある。
さすがにこんなところで死にたくはないリュウヤにとって、このモンスターは避けるべき相手だ。
そう思案して立ち去ろうとするリュウヤの目の端に、二人のプレイヤーが映る。
まさか、と思い振り返ると、そこには初めて見た青年らしきプレイヤーと、村で見かけて尾行していたプレイヤーだった。
(ついてんなあ、俺)
レアなモンスターの動きをノーリスクで勉強でき、尾行
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